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写真:木の器とスプーン

自然な風合いと手触りが魅力。 木の食器づくり体験で癒しのひと時を。

ナチュラルで温かみのある木製の食器は、どんな料理にも馴染み食卓をオシャレにしてくれる重宝アイテム。手に自然にフィットする心地良い感触や、ひとつひとつが異なる木目の表情…使うほどに味わいも増していくのが魅力です。ましてや自分で作ったとあれば、愛着もなおさら。今回は木のモノづくりを手掛ける工房兼ショップで開催されている、オリジナルのスプーン&器づくり体験をご紹介します。

鉄道利用ならJR佐賀駅からスタート

写真:佐賀駅外観

佐賀市のアクセス拠点となるJR佐賀駅。体験スポットとなる「飛鳥工房」へは、隣接するバスセンターから柳川行のバスに揺られること約30分。「大中島」バス停で下車しましょう。あるいは西鉄天神大牟田線「西鉄柳川駅」からのアクセスも可能。JR佐賀駅行のバスに乗り、約25分で「大中島」バス停に到着します。

木の温もり溢れる優しい空間「飛鳥工房」

写真:飛鳥工房の入口

バス停から歩いて3分ほど、家具の工場が連なるエリアに店を構える「飛鳥工房」に到着です。緑に包まれたアプローチも素敵で、期待感が高まります。

写真:飛鳥工房の店内

「飛鳥工房」では暮らしにもっと木を取りいれてほしいと、おもちゃを中心にさまざまな木のアイテムを製造・販売しています。木工体験をスタートしたのは「モノづくりの手間と楽しさを感じてもらいたい」という想いから。窓越しに木々やウッドデッキが眺められるワークショップコーナーは、開放的でナチュラルな空気に満ちています。

写真:木の器とスプーン、フォーク

体験では、大まかに形取られたベースとなる食器を好きな形になるまで研磨していきます。このプランで作ることができるのはスプーン、フォーク、豆皿、お皿(四寸)のいずれかとなります。まずは、作りたいモノのベースを選びましょう。素材となる木の種類もヒノキ、カバ、ブナ、ナラなどさまざま、表情も異なるので、自分にしっくりくる素材をセレクトしてくださいね。

写真:木の器と紙ヤスリ

目の粗さが異なる3種類の紙ヤスリを順番に使っていきます。刃物は使用しないのでお子さまでも安心して挑戦できますよ。木の粉が出るためエプロンを貸し出してくれますが、もし気になる方は汚れても良い服装で参加するようにしましょう。エプロンのデザインも素敵で、気分はまるで木工職人!

写真:木の器に紙ヤスリをかけている女性

今回は2人で参加し、小さいスプーンとお皿(四寸)をそれぞれチョイス。研磨前のお皿を触ってみると、ざらざらした感触が残っています。「最初は目が粗いヤスリで、力を入れながら表面の毛羽立ちを取るイメージでやってみてください」とオーナーの奥さまである廣松美紀さんからアドバイスを受け、作業スタート!

写真:木の器づくりを体験している女性

角を出したいなら面を削り、丸くしたいなら角を削るのがポイント。好みの形になるようにひたすら研磨していきます。

写真:スプーンに紙ヤスリをかけている女性

特に口にあたる部分は入念に。かなり根気のいる作業ですが、いつの間にか夢中になって没頭…。

写真:途中経過を確認する先生

丁寧に優しく教えてくれる美紀さん。「木って触れているだけで心が落ち着くでしょう。自然のものだからヒトとの波長も合うんですよね」。確かに、作業しているだけで穏やかな気持ちに満たされていくのがわかります。

写真:出来上がった木の器

段階ごとにヤスリを目の細かなものに変えていきながら、研磨し続けること約1時間。納得のいくお皿の形になりました! 最初と比べると、滑らかさが全然違います。

写真:電気ペンにて作業

希望すれば、ウッドバーニング(電熱ペン)で好きな柄や名前を入れることも可能です。集中して慎重に…コツはペンをゆっくりと動かすことだそう。

写真:先ほど作った気のスプーンに電気ペンにてデザイン

あまりに楽しくて、たくさんのハートを入れちゃいました! 世界にひとつのオリジナルスプーンのできあがり。

写真:クルミを使ってオイル塗装

最後の仕上げはオイル塗装です。使うのはなんと生のクルミ。ガーゼにクルミを包んで指でつぶしていくと、じんわりオイルが染み出してきます。

写真:オイル塗装をする様子

「塗装をすることで汚れにくくなるし、肌触りもよくなりますよ」と美紀さん。お家でも、半年に1度くらいのペースで植物性のオイルを柔らかい布につけて塗ってあげると、質感も長持ちするそうです。

写真:オイルを半分塗ったお皿

左半分がオイルを塗った部分。濡れたような艶が出て木の色も美しく見えます。

写真:出来上がったお皿とスプーン

ついに完成! 作品と一緒にヤスリも持ち帰ることができるので、使っているうちにザラザラしてきたら自分でメンテナンスすることも可能です。洗う際には食洗器は使わず、水気をしっかりふき取るのがポイント。使いながら愛情込めて育てていく、これこそが木の食器の魅力ですね。

写真:木で作られた御朱印帳

ショップ内には食器以外にも、おもちゃをはじめとする木製のアイテムがたくさん並んでいます。こちらの御朱印帳は名前を入れることもできる人気商品だそう。

写真:木で作られたベビー用品

ベビー用品は、出産祝いなどの贈り物としても喜ばれています。

優しい木の温もりに包まれて、心まで癒される木工体験。事前に予約をして、ぜひ訪ねてみてくださいね。

スポット情報(2023年12月21日現在) 

スポット名 飛鳥工房
営業時間 10時から17時
住所 佐賀県佐賀市諸富町徳富112‐4
電話番号 0952-47-5697
店休日 日曜、年末年始・お盆
アクセス JR佐賀駅よりバスで約30分「大中島」下車、徒歩約3分。
西鉄天神大牟田線「西鉄柳川駅」よりバスで約25分、「大中島」下車、徒歩約3分。
佐賀大和ICより車で約40分
備考 木のスプーン・食器づくり体験「飛鳥工房」
・参加費:スプーン小又はフォーク小1,980円、豆皿小1,650円、お皿四寸2,200円
・所要時間:60分から90分
・開始時間:(1)10時30分 (2)13時30分 (3)15時30分 ※お申込み時間の10分前にご集合ください。 
・対象期間:2023年4月1日から2024年3月31日
・対象年齢:4才以上
・除外日:日曜日および年末年始(12月28日から1月5日)
・催行人数:1名から6名
・予約締切:3日前(12時迄) ※締め切り以降は飛鳥工房へお問い合わせください。
ホームページ 飛鳥工房(外部リンク)

飛鳥工房

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最新設備で歴史を学ぶ「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」

佐賀市東部を訪れたなら、立ち寄っておきたいスポットがもうひとつ。
「飛鳥工房」からバスで約30分、タクシーで約10分の距離にある「三重津海軍所跡」は、2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産です。幕末に佐賀藩が早津江川沿いに設置した洋式海軍の拠点施設で、海軍教育や洋式船の修船・造船機能を有していました。幕末当時近代化を進めていた佐賀藩の活躍を今に伝える史跡ですが、そのヒストリーを最新の技術を使って楽しく分かりやすく解説してくれるのが、隣接する「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」です。

写真:佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館の外観

三重津海軍所跡の遺構は、中心施設であるドライドック(乾船渠)をはじめ全てが地中に埋まっています。それを「見える化」してくれるのが、2021年にリニューアルオープンしたこの歴史館。加えて、三重津海軍所の発展に尽力し、日本赤十字の創始者としても知られる「佐賀の七賢人」の一人、佐野常民(さのつねたみ)の功績についても学ぶことができます。

写真:館内でリオ湯出来るガイドシステム

館内では公式ガイドシステムアプリ「れきナビ」を使用して巡るのがおすすめ。それぞれの展示についてさらに深堀した内容を画像や動画を用いて分かりやすく案内してくれるほか、再現CGや洋式船の3Dデータなどによって当時の様子をよりリアルに体感することもできます。アプリは自分のスマホにインストールも可能であり、タブレットの貸出も無料で行っていますよ。

写真:大型スクリーンで見れる「凌風丸(りょうふうまる)」の姿

1階は三重津海軍所にまつわる展示フロア。展示室に設置された大型スクリーンの映像では、佐賀藩が所有した蒸気軍艦電流丸の修復をはじめとしたドライドックの運用の様子や、佐賀藩が建造した日本で最初の実用蒸気船「凌風丸(りょうふうまる)」の姿を大迫力で間近に観ることができます。

写真:館長の諸田謙次郎さんが案内してくれました

希望すれば、スタッフの方が無料でガイド案内をしてくれます。団体観覧の準備などがあるので事前予約が望ましいですが、当日でもタイミングがあえばお願いすることも可能。この日はなんと、館長の諸田謙次郎さん自ら案内していただきました!

写真:映像ホール内にて再現映像を見る様子

1階奥の「映像ホール」では、佐賀藩の取り組みや三重津海軍所の成り立ち・特徴などについて、空撮やCGによる再現映像を交えたムービーを上映。大型スクリーン共に、上映時刻が決まっているので、当日受付で確認してくださいね。

写真:パネルにて佐賀藩の近代化事業の紹介

続く2階は、佐賀藩の近代化事業の紹介をはじめ、佐野常民の生い立ちや功績、人物像にググッと迫るフロアです。

写真:れきナビアプリを番号に近づけると解説が聞けます

「れきナビ」アプリを立ち上げてこの番号に近づけることで、展示内容についてより詳しい解説や、CGやARなどデジタルでコンテンツが楽しめます!

写真:パノラマ映像を見る様子

2階にも映像シアターがあり、佐野常民の80年の生涯をパノラマ映像で紹介してくれます。まるでドキュメンタリーのような仕上がりで、より一層常民への親近感が募ります。

写真:日本赤十字社の紹介コーナー

有料エリアを出てすぐ、誰でも入れる無料エリアには、佐野常民が初代社長となって設立に貢献した「日本赤十字社」を紹介するコーナーもあります。館内のさまざまな展示を通じて、常民が数々の功績を遺した偉大な人物だったことを実感できました。

写真:テラスから外の様子を見る女性

3階もみんなに開放された無料展望室となっていて、三重津海軍所跡をここから一望することができます。史跡についてひととおり学んだ後だと、往時への想いがなおさら膨らみますね。

写真:遺構の案内板

歴史館の二階、時の架け橋出入り口から、実際の遺構へも行くことができます。
現在「三重津海軍所跡」として整備されているこの場所では、2009年に発掘調査が行われた際、船を造ったり、修理したりする施設「ドライドック」が再確認されました。日本の造船業の初期の姿を現す重要な遺産でしたが、ドライドックは土と木材でつくられているため、地上で空気にさらされていると風化、崩壊してしまいます。そこで調査終了後に再び埋め戻され、土中で保存することになったのです。

写真:受付でかりたタブレットを使うと…

しかし!ここで秘密兵器の登場。受付で借りたタブレットや、スマホにダウンロードした「れきナビ」アプリを使うと…。

写真:タブレットを使って核に出来るバーチャルの世界

カメラを向けたその先に、海軍所の姿が再現されるのです。バーチャルの世界で当時へタイムスリップ!

写真:アプリを使って合成写真も撮影できます

なんとCGと合成した記念写真まで撮影可能。画期的です。

最新技術を駆使したおすすめの学びスポット。リアルに体感できる歴史の旅を楽しんでくださいね。

スポット情報(2023年12月21日現在) 

スポット名 佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館
営業時間 9時から17時(最終入館16時30分)
住所 佐賀県佐賀市川副町大字早津江津 446-1
電話番号 0952-34-9455
店休日 月曜(月曜日が休日の場合は、翌平日)、年末年始、その他臨時休館日あり
アクセス 佐賀駅バスセンターより早津江線「佐野・三重津歴史館入口」バス停下車、徒歩10分。
佐賀大和ICより車で約40分
ホームページ 佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館(外部リンク)

佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館

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おすすめの立ち寄りスポット

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    あやか

    佐賀生まれ、理系大学生!食べることやお出かけが好きで、Instagramで佐賀の美味しい情報を毎日発信中。趣味はヨガ、好きな食べ物はプリンとお寿司。ライター初挑戦中ですが、私の記事が佐賀を知る、より好きになるきっかけになれたら嬉しいです!

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    池松晃弘

    佐賀って実はディープ!知れば知るほどハマる魅力的なスポットと楽しみ方をお届け!
    神奈川県出身、九州を拠点に活動するフリーライター。28歳で福岡へ移住。瞑想が趣味なので、マインドフルネスになれるスポットをご紹介します。

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    柴田愛梨

    愛知県岡崎市出身。お試し移住などを体験し、佐賀の虜に。
    現在は海の近く唐津市に拠点を置き、フリーランスで活動中。歴史、やきもの、温泉、おいしい食べ物…そして人の温かさ。佐賀の魅力は数え切れないほど。楽しみながら魅力発信をしていきます!

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    佐賀との県境で育った福岡県在住ライター。虫嫌いで運動音痴なのにキャンプ、サイクリング好き、休日は幼い娘と公園&食べ歩き。私の愛する佐賀は、佐賀平野の田畑を走る神埼北茂安線の風景。小麦畑、水田、収穫後の地平線と、季節ごとの変化がたまりません。

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    中島丈晴

    佐賀を訪れる人は街や町、スポットを創り上げる人々とそこに至るストーリーに共感されているのではと感じています。
    『佐賀経済新聞』運営や『佐賀バルーンフェスタ』広報等を担う中でふと気づく、佐賀の人やスポットのストーリーをお伝えしていきます。

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    佐賀県神埼市出身。趣味は、新店めぐり、山登り、映画&ドラマロケ地巡礼。神埼そうめん、北方ちゃんぽん、日ノ隈山山頂からの田園風景が大好き。佐賀の温かい人々との出会いを大切に、地元の魅力を再発見・新発掘できる旅を提案します!

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    広い空、新鮮な食材、おいしい空気。佐賀はどこを訪れても元気をもらえます。佐賀生まれ、佐賀育ちのフリーライター。海外取材のときは、必ず佐賀の米と佐賀海苔をスーツケースに詰めていきます。一番かわいいと思う生き物は有明海に生息するムツゴロウです。

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