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写真:山を背景にした川古の大楠

全国最大級の巨木3選! 武雄の大樹めぐりで心身をリフレッシュ

あそぼーさが編集部
2024年05月10日

新緑がまぶしいこの季節、樹齢を重ねた大樹の枝にもみずみずしい新芽が芽吹く頃ですね。
特に、ここでご紹介する武雄市のクスノキたちは、全国最大級の巨木として知られています。それぞれが古くから人々に大切にされ、中には信仰の対象にもなっている樹もあるほど。大樹のそばでひと時を過ごせば、現代を生きるわたしたちにもパワーを与えてくれるようです。
時には大樹を訪ねて、安らぎと生命の活力を感じてみてはいかがでしょうか?


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※すべて武雄市


市街地の中の神秘的な空間「塚崎の大楠」

写真:左側に武雄市文化会館の建物入り口があり、画面中央の道を挟んで右側に坂がある風景

「塚崎の大楠」は、JR武雄温泉駅の南側市街地の中、武雄市文化会館前の坂道を20メートルほど登ったところにあります。
坂には車で入れませんのでご注意ください。

写真:塚崎の大楠その1

樹齢2000年といわれる巨木「塚崎の大楠」。
1963(昭和38)年に落雷を受け、本幹の9メートル以上が失われたそうですが、今も残る幹回りの太さや力強い根張りのようすに、在りし日の雄大な姿を想像させられます。
幹の中が空洞になっているのも落雷の衝撃に耐えたせいでしょうか。

100メートル程度の距離に交通量の多い国道が走っているとは思えないほど、大楠の周囲は静かです。風が梢を揺らす音や野鳥の鳴き声に、耳を澄ませてみてください。

写真:塚崎の大楠その2

静かにたたずんでいると、木漏れ日の中に妖精の姿が見えてきそう。神秘的な雰囲気を堪能できます。

写真:坂の下から塚崎の大楠を見上げた風景。手前に表示版があり、「塚崎の大楠 樹齢2000年」と記載されている

時を超えて、地域の人々が大切に守ってきた大樹。
洞の中に入ったり、みだりに触ったり根を踏んだりすることは控えて、少し遠くから見守ってくださいね。

※2024(令和6)年6月から2027(令和9)年春頃まで、武雄市文化会館を休館し、周辺を含めた再整備を行います。
整備に伴い、通行等ご迷惑をおかけしますが、引き続き大楠は見学いただけます。

 

森に佇む御神木「武雄の大楠」

写真:武雄の大楠

武雄神社の御神木である「武雄の大楠」は、樹齢3000年といわれ樹高30メートルにおよぶ大樹で、環境省の巨樹・巨木林調査では「全国最大級の巨木」の第7位となっています。武雄神社にお詣りしたら、ぜひ本殿だけでなく大楠にもお詣りしてみてください。

写真:武雄の大楠へ向かう小さな石畳の道。手前右側に「武雄の大楠通り」の道標と、武雄神社の御守りの看板が立っている

森の中にある大楠ですが、武雄神社の本殿左側に、大楠へ向かう石畳の小径が整備されています。きちんと掃き清められた石畳は、大楠を大切に想う人々の心の現われのようですね。

写真:小径の左右に緑色のモミジが茂っている風景
写真:小径の左右に紅葉したモミジが茂っている風景

小径の左右にはモミジが植栽され、きれいに茂った枝がアーチのように連なります。春から夏は美しい緑に、秋は目の覚めるような黄色や赤に色づく小径を通って大楠を目指しましょう。

写真:右側に竹林があり、画面中央に武雄の大楠がある風景。武雄の大楠の奥は森

モミジの小径から続く竹林を抜ければ、大楠の威容が目に飛び込みます。武雄神社の境内からここまでの小径を歩く間に、異世界へ旅してきたような不思議な感覚がしました。
森の中に立つ「武雄の大楠」へ背筋を伸ばして向き合えば、心身が浄化されていく想いがします。

写真:武雄の大楠の幹に空いた洞

武雄市では、大楠の樹勢に衰えが見られたことから、1994(平成6)年度から土壌改良などの対策を行ってきました。その甲斐あって樹の成長が回復しましたが、逆に倒木が心配されるようになります。
そこで2003(平成15)年から幹の補強や薬剤塗布などを行い、現在の壮健な大楠の姿が保たれているそうです。

写真:武雄の大楠の根元近くの幹に空いた洞。中に祠が見える

木の洞には天神様が祀られ、その始まりははっきりとわからないほど古いものらしいとか。
そのほかにも、御神木として敬愛されてきた大楠にはさまざまなエピソードがあるそうです。古い時代から現代にいたるまで人々に寄り添ってきた「武雄の大楠」ならではですね。

武雄神社・武雄の大楠

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田園風景と調和する県内随一の大樹「川古の大楠」

写真:川古の大楠を公園の外から見た遠景

2001(平成13)年の「全国最大級の巨木」で第5位!佐賀県内随一の大樹で「川古の大楠」と親しまれるこの樹は、川古のクスとして国の天然記念物に指定されています。
樹高25メートルにおよび、枝張りは四方27メートルにもなります。樹齢3000年といわれますが現在も健全で、武雄市若木町の田園風景の中でのびのびと枝を広げています。

写真:川古の大楠公園の入り口から、大楠をのぞむ風景。手前左側に「天然記念物 川古のクス」の看板が立っている

周辺は「川古の大楠公園」として整備され、大楠の周囲にはベンチが設置されています。腰かけると大楠の枝が頭上に広がり、まるで大きなパラソルのよう。
公園には水車小屋や藤棚もあり、のどかな景観は最高です。大楠の緑と一緒に遠い山の緑も眺めながら、心地よいひと時を過ごせますよ。

写真:手前に水車小屋、右奥に藤棚がある風景。奥の遠方に山が見える
写真:藤棚に白い藤の花が満開に咲いている様子

4月下旬頃は、白い藤棚が花盛りでした。

写真:川古の大楠の幹に空いた洞に設置された稲荷社の祠

幹の洞にはお稲荷様の小さな祠が。樹齢を重ねた大樹ならではの風情です。
また奈良時代には名僧・行基がこの地を訪問し、大楠の幹に観音像を刻んだという伝説があります。行基の時代から1300年を経た今は、観音像は幹から剥がれており、観音堂に収められているそうです。

写真:川古の大楠を見上げる風景

大きな空いっぱいに枝を広げる「川古の大楠」は、眺めるだけでこちらも元気になれそう。ちょっとお疲れな方にぜひ立ち寄りしていただきたい、武雄のおすすめスポットのひとつです。

川古の大楠

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川古の大楠公園へおでかけなら、武雄温泉ミニミニ周遊バス(若木・武内ルート)が便利です!

武雄市内をお得に周遊するバス「たけめぐり」が日曜日と祝日に運行中です!
「若木・武内ルート」は武雄温泉楼門やJR武雄温泉駅など、武雄市街地から川古の大楠公園まで、約2時間で回ります。どこまで乗っても200円、利用しやすい運賃も魅力です。走行中の眺めも素晴らしいですよ。

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