佐賀南部エリアに注目!世界遺産の三重津海軍所跡へ

佐賀南部エリアに注目!世界遺産の三重津海軍所跡へ

今年の7月8日、世界文化遺産に登録決定した「三重津海軍所跡」。佐賀県内では初の世界遺産誕生に地元は歓喜に沸き、連日多くの見物客で賑わっています。これに先立って5月には、国際的に重要な湿地として佐賀市と鹿島市の干潟が「ラムサール条約湿地」に登録され、こちらも県内初として話題に。今、佐賀県南部エリアは最も熱い視線が注がれています。関連施設も豊富にありますので、貴重な歴史と自然に触れる周遊の旅をお楽しみください。

※この情報は2015年8月時点のものです。

三重津海軍所跡って?

 佐賀市の南端、筑後川の河口部にあたり、その支流の早津江川沿いに位置する「三重津海軍所跡」。ここは、幕末の佐賀藩海軍の拠点だったところです。当時欧米諸国のアジア進出に強い危機感を抱いていた佐賀藩は、海外との窓口である長崎の警備を強化するため、国内初の洋式反射炉を用いた鉄製大砲の製造や、洋式海軍の設立を実現しました。
 1858年、藩の船屋があった三重津に、洋式船の運用技術などを教育するための「御船手稽古所(おふなてけいこしょ)」を設置。これが三重津海軍所の前身です。翌年には海軍教育を行う「海軍稽古場」が置かれ、1861年までには、洋式船の修理に使う部品の製造や補修を行う「製作場」や、船を引きいれるための「修覆場(しゅうふくば)」(ドライドック)も整備されました。こうして最先端の技術を集めて海軍教育や洋式船の運用機能が整えられ、三重津海軍所は日本近代化の原動力となったのです。
 「三重津海軍所跡」へは、窓口となる「佐野常民記念館」を目指しましょう。佐賀市川副町出身の佐野常民は'日本赤十字の父'と呼ばれ、三重津海軍所を統括した人物。館内ではその人物像とともに海軍所をさまざまな角度で紹介しています。


手前の早津江川の向こうに筑後川。写真の真ん中あたりの橋の下の方に、約600mに渡って三重津海軍所跡があります。遠くに見えるのは有明海。


見晴らしのいい川沿いにたつ佐野常民記念館。外壁の赤い十字の意匠が印象的。通常月曜日が休館日ですが、9月末までは登録を祝って開館に!


「土日には約800人の来場者があります。末永く皆さまに親しまれる場所として、今後も企画を練っていきたい」と佐野常民記念館の尾高守さん。

船内をイメージした館内で歴史を学ぶ

 「佐野常民記念館」では、大型のマルチビジョンや多彩なパネル、模型、出土品などの展示で分かりやすく三重津海軍所跡の歴史をたどることができます。予習をするなら、まずは3階のインフォメーションコーナーへどうぞ。三重津海軍所の歴史年表や概要、発掘調査の内容が詳しく紹介され、出土品として、洋式船の修理に使われたボルトなどの部品や石炭、特注品と思われる海を描いた食器など興味深いものが多数展示されています。
 また、「ドライドック」の復元模型や原寸大パネルの展示もここ。ドライドックとは、洋式船の修理や整備の際に船を引き入れるための建造物。西洋では主に石やレンガで造られるのに対し、三重津海軍所のドックは伝統的な土木技術を生かして木と土で造られ、その価値の高さが注目されています。
 2階の大型ラウンドビジョンは、蒸気船をはじめとする多彩な映像が流れる三重津海軍所のイントロダクション。隣の常設展示室では佐野常民の80年の生涯を映像で紹介し、その人柄に感動させられます。また、常民が完成させた日本初の国産蒸気船「凌風丸(りょうふうまる)」の模型も必見です。


こちらがドライドックの原寸大パネル。実際に発見されたものは、長さ約60m、幅約20mと巨大なもの。日本の建築技術の高さや人間の知恵に感心。


「三重津タイムクルーズ」と銘打ち設置された、'第一章'は直径2mのラウンドビジョン。各フロアのガイダンスや海軍所の概要が紹介されます。


常設展示室。常民は1877年の西南戦争に際し、敵味方の区別なく負傷者を救護する「博愛社」を設立。10年後に「日本赤十字社」と改称し、初代社長に。

現代の先端技術で見る160年前の海軍所

 1階では図書コーナーに隣接する「オキュラスリフト」という体感コーナーが大人気。最新のVR(バーチャルリアリティ)機器により、当時の三重津海軍所の賑わいをイメージしたCG映像が360度の視界で広がります。まるで自分がその場にいるような臨場感と迫力です。
 さて、いよいよ屋外の三重津海軍所跡を見学、という時は2階の受付で「VRスコープ」とイヤホンをレンタルしましょう。現在すべての遺構は保護のため埋め戻されているので、実際の遺構を目にすることができませんが、それらの機器があれば大丈夫。地図を受け取り、表面に記された5つのポイントへ進み、各所で双眼鏡のようなVRスコープをのぞきます。すると音声ガイダンスが始まるとともに当時の三重津海軍所をイメージしたパノラマ映像が現れるというしかけ。海軍所の雰囲気や人々の働きがありありと分かり、楽しい体験ができます。
 館内や三重津海軍所跡をゆっくり見学して1時間ほど。展望テラスからあらためて海軍所跡全景を眺めれば、ここに高度な技術力と人間の英知が集結していたのだと、また感動が湧いてくるのです。


三重津タイムクルーズ第2章は、'時空を超えて'がテーマの「オキュラスリフト」。まさにタイムカプセルのよう!


コーナーの一画では平面映像も同時に映し出されていますが、VR機器でのぞくとまるで別世界です。


幕末の三重津海軍所へタイムトリップ中。いろんな方向へ顔を動かすほどに多彩なシーンが見えてきます。


この地図を持って外に出ると、白丸に見どころポイントの数字が浮かんでくるので、1から順番に出発!


目的地に着くと自動的にガイダンスが始まり、バーチャルな世界が目の前に。映像は見てからのお楽しみ!


館内ではクリアファイルやボールペンなどオリジナルグッズの販売も。こちらは手ぬぐい!520円。

■DATA
佐野常民記念館
○住所:佐賀市川副町大字早津江津446−1
○開館時間:
9:00~19:00 ※展示施設は17:00まで 
○休館日
月曜日(祝祭日の場合は翌日)、年末年始(12月29日から1月3日まで)、その他臨時日
※三重津海軍所跡の世界遺産登録を祝し平成27年7月6日~9月末まで休館日なしで開館
○入館料:無料(常設展示室有料 大人¥300 小・中・高¥100)
○交通:<バス>佐賀駅バスセンターより佐賀市営バス早津江線にて40分、「佐野常民記念館入口」バス停下車、 徒歩6分。
西鉄電車柳川駅より南筑交通沖新線にて30分、終点早津江バス停下車、徒歩6分。
※土曜・日曜・祝日のみ、佐賀駅バスセンター発着の「南部周遊バス」運行
<車> 長崎自動車道佐賀大和ICより車で40分
有明佐賀空港より車で10分
○お問合せ:TEL 0952-34-9455
※佐賀市の観光について詳しくは
(一社)佐賀市観光協会 TEL 0952-20-2200
http://www.sagabai.com/

3つの日本一を持つ「東よか干潟」

 有明海の「東よか干潟」は佐賀市東与賀町の南に広がる泥干潟。今年の5月、国際的に重要な湿地として218haにわたる干潟が「ラムサール条約湿地」に登録されました。
 ここはクロツラヘラサギやズグロカモメなど絶滅危惧種を含む水鳥類の中継地、越冬地として国内有数の場所。環境省の全国100カ所でのモニタリング調査では、シギ、チドリなど渡り鳥の飛来数が一番多いところとされ、四季を通じて140種類以上の野鳥が見られます。
 また、有明海は干満差約6mと日本最大。ムツゴロウやワラスボなど有明海特有の多様な生物が生息する豊饒の海です。さらに、この干潟沿いに、約1.6kmにわたって群生する珍しい塩生植物「シチメンソウ」も日本最大のもの。近くで見ればユニークな形状が連なり、「干潟よか公園」から眺めれば有明海とのコントラスとともにじゅうたんのような眺望が楽しめます。


顔とくちばしが黒いのが特長のクロツラヘラサギ。何年経っても来てもらえるような豊かな自然でありますように。


ズグロカモメやツクシガモなどの団体様も。エサとなる生物が多く、生態系が豊かなあかしです。


絶滅が危惧されているとうシチメンソウは、夏は緑に、秋は紅葉し、有明海に映えます。

■DATA
○住所:佐賀市東与賀町大授搦(だいじゅからみ)
○交通:<車> 長崎自動車道佐賀大和ICより車で45分
有明佐賀空港より車で5分
<バス>土曜・日曜・祝日のみ、佐賀駅バスセンター発着の「南部周遊バス」運行
○お問合せ:佐賀市役所環境部 環境政策課 TEL 0952-40-7201

佐賀駅バスセンターからお得な周遊バスで巡る

 今年の7月4日から、佐賀駅バスセンター発着で三重津海軍所跡や東よか干潟を巡る「南部周遊バス」の運行が開始されました。土曜・日曜・祝日のみの運行で、1乗車大人150円。途中で「佐賀城本丸歴史館」や「昇開橋(橋の駅ドロンパ)」、「美術館前」も経由し、すべてを回るなら1日乗車券(大人500円)もあるのでお得で便利です。
 「佐賀城本丸歴史館」では、三重津海軍所跡にスポットをあてた特別企画展「幕末佐賀藩の挑戦」を9月23日(水・祝)まで開催。ダイナミックなプロジェクションマッピング映像が披露され、こちらも見逃せません。


南部周遊バスは東よか干潟回りと三重津海軍所跡回りの2コースを45分間隔で運行しています。


佐賀城本丸歴史館の四之間にて開催される企画展では、子どもから大人まで楽しめる仕掛けが盛りだくさん。


全長506mの昇開橋も名所。周辺は展望公園として整備され、有明海の幸や農作物が揃う'橋の駅'があります。

■DATA
南部周遊バス
○運行日
平成27年7月4日(土)から土曜日・日曜日・祝日のみ運行
○運行ルート
①三重津海軍所跡回り(シオマネキ号コース)
 佐賀駅バスセンター(3番のりば)⇒佐賀城本丸歴史館⇒昇開橋(橋の駅ドロンパ)⇒三重津海軍所跡⇒東よか干潟⇒博物館前⇒佐賀駅バスセンター
②東よか干潟回り (ムツゴロウ号コース)
 佐賀駅バスセンター(4番のりば)⇒博物館前⇒東よか干潟⇒三重津海軍所跡⇒昇開橋(橋の駅ドロンパ)⇒佐賀城本丸歴史館⇒佐賀駅バスセンター
○運賃
1乗車 大人150円 小児80円 (※南部周遊バスのみに適用する運賃です。)
※1日乗車券は大人500円、小児250円。佐賀駅バスセンター・南部周遊バス車内・佐賀市交通局にて販売。
○お問合せ:佐賀市交通局総務課 TEL 0952-23-3155

グルメなら三重津海軍所カレーとアイスはいかが?

  1世帯あたりのカレールー消費量が全国一位という佐賀市、そして海軍といえば、やっぱりカレーでしょ!というわけで、必食のグルメが「三重津海軍所カレー」です。佐賀県が一般向けに開催した「カレーレシピ選手権」でグランプリを獲得したレシピをもとに、実際に飲食店で提供されています。
 日本初の実用蒸気船「凌風丸」に見立てたレンコンとカボチャをアクセントに、その店ならではのこだわりがギュッとつまったカレーは、元気になれるおいしさです。
 カレーのあとは、ラムサール条約登録を記念したご当地アイスはいかが?そのアイスとは、佐賀県発の「ブラックモンブラン」と「ミルクック」。創業120年以上を誇る菓子メーカー竹下製菓株式会社のロングセラーです。この2つのアイスには、100点分の当たりバーを集めてアイスが一本もらえる「バードウォッチゲーム」付き。アイスの当たりバーには、佐賀の県鳥であるカチガラスやヘラサギ、ツバメなど8種の鳥の絵の中から3点の組み合わせによって「10点あたり」や「50点あたり」などが記されています。「はずれ」でも鳥の絵は出てきますよ。九州、中四国を中心にスーパーやコンビニで手軽に買えますので、アイスのバードウォッチもぜひお楽しみください。


こちらは諸富町の「うまかどん」のカレーうどんバージョン。野菜たっぷりで飽きのこないおいしさです。


「キー坊」のカレーはボリュームたっぷり。じっくり煮込んだ野菜のうまみが濃厚で、クセになります


佐賀県を代表する'地アイス' 。裏面にはプレゼントが当たるダブルチャンスもあるので要チェック!

■DATA
うまかどん
○住所: 佐賀市諸富町山領263-2
○営業時間:10:00~20:00
○定休日:水曜日
○料金:600円
○お問合せ:0952-47-4048

キー坊
○住所:佐賀市川副町大字鹿江1020-2
○営業時間:11:30~14:30、17:00~21:00
○定休日:火曜日
○料金:850円(サラダ付)※1日10食限定

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