新たな魅力発見 新茶の季節は嬉野でほっこり

新たな魅力発見 新茶の季節は嬉野でほっこり

 新茶の季節となり、旅先として浮かぶのがやっぱり嬉野。嬉野温泉とともに全国的に名の知られたうれしの茶の産地です。山々に囲まれた大地には美しい茶畑が広がり、まちには20数軒のお茶屋が点在。それぞれのお店で自慢のお茶が販売されています。
 今回はお茶に親しむゆったりとした時間を堪能。スタイリッシュなやきものや緑茶グルメも登場しますのでお見逃しなく!

※この情報は2015年5月時点のものです。

グリっと丸い高品質のうれしの茶

 なだらかな山間のまち・嬉野は、茶の栽培に適した地。一番茶が育つ4月中旬ごろには、茶園を包む朝霧の水分が新芽の育成にほどよく、朝晩の寒暖差は茶の育成にメリハリを与えて香りやコクを育みます。そんな恵まれた環境で育った「うれしの茶」は、全国茶品評会の蒸し製玉緑茶部門で5年連続日本一、また高品質な茶の生産地に贈られる「産地賞」を受賞するなど品質の良さはお墨付きです。
 うれしの茶の主流は、高温で蒸した後に乾燥させてつくる「蒸し製玉緑茶」で、勾玉のようにグリっと丸い形をしているのが特長の一つ。一方、嬉野を発祥とする「釜炒り茶」も存在し、これは約500年前に、明(中国)の陶工がやきものと同時に製法を伝えたもので、生産量が少なく希少価値の高いお茶とされています。
 ここ最近は、和紅茶人気の高まりから「うれしの紅茶」への注目度もアップ。20年ほど前から栽培が始まり、今ではレモングラスやショウガ入りの紅茶も登場するなど進化を遂げています。
 嬉野温泉街には「シーボルトの足湯」や「湯宿広場」の足蒸し湯などもありますので、茶畑やお茶屋巡りとともにお楽しみください。


日本茶では珍しい独特の丸みが特長の茶葉。和食がユネスコの無形文化遺産となった今、日本茶にももっと親しみたいものです。


すがすがしい眺めの茶畑。慶安年間(1648~51年)に茶祖吉村新兵衛が脊振から茶種を取り寄せ、不動山にまいたのが栽培の始まりとか。


両足を箱の穴に入れた状態で15分ほどリラックスする足蒸し湯。午前9時から午後8時まで利用可。足湯は24時間利用できます。

■DATA
嬉野観光のお問合せはこちら
嬉野温泉観光協会 TEL 0954-43-0137
公式ホームページ

アットホームな茶舗で茶を喫し、ジェラートに舌鼓

 嬉野温泉街を散策するとさまざまなお茶屋に出会えますが、今回は今年2月にリニューアルオープンした「中島美香園(なかしまびこうえん)」を訪ねました。店内にはさっそく新茶の商品が並び、奥には坪庭を眺められるイートインスペース「茶屋6JIZOU」が。ここでは、「自分で茶を淹れて茶本来の味わいと日本茶の良さを知ってもらいたい」との想いから、急須や湯さましなどの茶器をセットにした「うれしの玉露」と「うれしの品評会茶」を500円で味わうことができます。湯を冷まして注ぎ、茶葉が開く'時'を待つ...。そんなひと手間がとても豊かに感じられる喫茶です。
 直営の茶園を持つ中島美香園では、茶摘みが一度に重ならないよう極早生、中早生、晩生品種と植栽していき、それぞれ特徴のある茶葉で多彩な商品を展開。また、10数年前から若手の茶生産農家とタッグを組んでうれしの紅茶も販売し、レモングラスブレンドや有機農法の紅茶、ティーバッグタイプなどの紅茶が若い世代にも好評です。
 そしてもう一つ、特に女性のハートをつかんでいるのが手作りジェラート。4種のうち2種が同店のお茶を煮出して作ったもの。濃厚でコクと香りが豊かな味わいは、クセになりますよ!


「今年も良質の新茶ができました!お店によってお茶の味は全然違うんですよ。ほんのり甘い和紅茶も楽しんでいってくださいね。」


うれしの玉露(小城羊羹付き)500円。淹れ方の説明書きや砂時計もあるので、失敗なくおいしい玉露を楽しめます。


玉露のお茶の色は薄いのですが、味はまるでダシのように濃厚でまろやか。二煎目はすっきりとした味わいに変化し、奥深さを感じます。


こちらは「うれしの紅茶セット」350円。煎茶のセットもありますが、夏にはアイスのお茶も登場するのでお楽しみに。


ジェラートは、同店のお茶を使ったのがほうじ茶と紅茶味。ほか、抹茶とミルク味があります。シングル300円、ダブル400円。


ガラス越しに眺める坪庭もいいですが、店内から入ることもできます。ベンチがあるのでここでジェラートをいただくのも◎。


カラフルなパッケージがかわいいティーバッグのお茶は540円と値段も手頃でお土産に人気。自分用にも欲しくなります。


落ち着いた風情で居心地のいい空間。隣には出来上がった荒茶を精選加工する工場があり、見学もできます(要事前問合せ)。


晴れた日には傘とバンコが出ていい雰囲気。「リニューアル後は若い女性が増えた」という通り、取材時には女性が次々と来店。

■DATA
<中島美香園>
○住所:嬉野市嬉野町大字下宿乙2199
○営業時間:8:00~20:00
○定休日:第2・第4水曜日(5月・12月は無休)
○駐車場:あり
○アクセス:長崎自動車嬉野I.Cより嬉野温泉街へ車で約5分。
○問合せ:TEL 0954-42-0372
中島美香園ホームページ

嬉野のもう一つの名産、400年の歴史ある肥前吉田焼

 嬉野は、約400年続くやきものの里としての顔も持っています。有田焼の大外山と呼ばれる吉田地区には、山里の静けさの中に窯元協同組合に加盟する8軒の窯元・商社が点在し、窯元巡りを楽しめます。
 古くから食器などの生活雑器を中心に焼いてきた歴史があり、明治・大正期には中国や朝鮮への輸出も盛んでした。現在は国内向けにつくられ、確立した様式はないため作風はとても自由。400年の歴史と伝統を誇りに、それぞれの窯元で染付や赤絵など多彩な技法を駆使し、親しみやすいやきものづくりに励んでいます。
 各窯元の作品は「肥前吉田焼窯元会館」でも展示販売されているので、ぜひお立ち寄りを。吉田焼の歴史を紹介するほか、湯のみやお皿の絵付け体験、陶土で器づくりにチャレンジできる手びねり体験ができます。
 うれしの茶や紅茶と合わせて、器探し・世界に一つの器づくりをどうぞ。


肥前吉田焼窯元会館の中には、窯元自慢の日用食器が豊富。旅の記念やお土産に湯のみや茶器を揃えてみてはいかが?


絵付け体験では、スタッフにコツを教えてもらいながら自由に筆を運んで。後日焼きあがったものが郵送されます(送料別途)。


作風が自由な分、渋い絵柄から現代風のモダンなものまでより取り見取りの吉田焼。幅広い世代に受け入れられそうです。

■DATA
肥前吉田焼窯元会館
○住所:嬉野市嬉野町大字吉田丁4525-1
○開館時間:8:00~17:00
○休館日:12月29日〜1月1日
○入館料:無料
○駐車場:あり50台
○アクセス:JR長崎本線肥前鹿島駅から祐徳バス嬉野温泉行き(吉田経由)乗車、「上皿屋」バス停下車徒歩2分。
長崎自動車道嬉野I.Cから車で10分。
○問合せ:肥前吉田焼窯元協同組合 TEL0954-43-9411
公式ホームページ

スタイリッシュなカフェのお茶メニューでいっぷく

 さて、場所は再び嬉野温泉街。肥前吉田焼の器を楽しめる新スポットがあるということで、「224 shop + saryo」におじゃましました。肥前吉田焼に新風を起こした磁器ブランド「224porcelain(ニーニーヨンポーセリン)」のお店で、1階がカフェ「saryo」、2階が吉田焼や雑貨を扱う「shop」となっています。
 ショップは洗練されたギャラリーの雰囲気が漂う空間。ここに並ぶ吉田焼は、とてもシンプルでありながら、遊び心や機能性に富む豊かな表情が魅力です。作品を手に取るにつけ、じわ~と良さが伝わってくる、そんな作品たちが揃っています。
 このショップで扱っている茶器でお茶と菓子を楽しめるのが「saryo」です。「嬉野茶の幅広い魅力を伝えたい」とあえてコーヒーを扱わず、まずはいくつかの茶葉の香りをかいで、好みのお茶を選ぶことから喫茶の世界が始まります。急須または土瓶で提供され、お湯を足したいときは店の中央にある茶釜から自由に汲めるという演出も粋。丁寧に淹れたお茶は、香りの広がりや味の奥ゆき、一煎目、二煎目と変化する味わいなどいくつもの発見があります。小腹が空いたら「和風アフタヌーンティー」や「抹茶フォンデュ」などこだわりメニューもあり、夏に向けてティーフラッペも充実させるとのことで、要チェックです。
 6月にはワークショップをスタートする予定で、こちらはお茶以外の多彩なジャンルを体験できるのでこうご期待。今後も目が離せません。


嬉野温泉街の中でもひと際センスが光る「224 shop + saryo」は、感性が刺激される場所。手前のハンモックは乗ってもOK。


ショップには、機能性に感心したり、デザインにクスっと笑えたりするオリジナリティ豊かな作品がずらり。贈り物にも最適。


箸、スプーン、フォーク、ナイフ、それぞれの置き場所をつくった「カトラリーレスト」。食卓が楽しくなりそう!


異素材の皮と組み合わせて存在感を放つカップ。これで紅茶を飲んでもよさそう。使い手の想像力を膨らませてくれます。


席がゆったりと配置され、お洒落なティータイムが過ごせる明るい店内。次にまた誰かを誘ってきたくなる空間です。


抹茶フォンデュとほうじ茶のセット1080円。甘いデザートはもちろん、塩系のお菓子と抹茶クリームソースとの相性が絶妙!


「とにかくお茶が好き」という店主。農家に足を運んで仕入れたものなど、この日はこだわりの茶葉8種の香りを体験。


お茶とセットになっているお菓子は、地元の菓子舗などで揃えた「本日のお菓子」から一つ選ぶことができます。


「遠慮せずにおかわりができるように」と、ここで直接急須にお湯を足せます。茶釜に触れることができ、いいアイデア!

■DATA
<224 shop + saryo>
○住所:嬉野市嬉野町大字下宿乙909-1
○営業時間:
 shop 平日 10:00~16:00 ※水曜定休 / 土日 10:00~18:00
 saryo 土・日・祝日10:00~17:00 21:00~25:00 / 金曜は21:00~25:00のみ ※月~木定休 
 駐車場:なし
○アクセス:長崎自動車嬉野I.Cより嬉野温泉街へ車で約5分。
○お問合せ:TEL 0954-43-1220
224porcelainホームページ

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