2018年、明治維新150年記念への歴史旅
来年の2018年(平成30年)、明治維新150年を迎えます。佐賀藩は、幕末から明治時代にかけて活躍する人材を輩出し、また日本の先駆けとなる多くの事業に取り組みました。その一つとして三重津海軍所で行われた伝統的工法を用いた乾船渠(ドライドック)の建造や、日本初の実用蒸気船「凌風丸」の建造成功などが挙げられます。三重津海軍所跡は幕末における造船分野の取り組みがよくわかる遺跡として評価され、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産となっています。今回は、この三重津海軍所跡などを回り、「明治維新150年」がよりわかる歴史旅へとご案内します。
※この情報は2017年4月時点のものです。
スコープでのぞけば160年前の姿が蘇る 三重津海軍所跡
日本初の実用蒸気船が佐賀藩で作られたことをご存知ですか? 長崎の警護を担っていた佐賀藩は、欧米列強の軍事力に危機感を抱き、海防への強化を図ります。鉄製大砲を作り、蒸気機関の研究に取り組み、幕府が開設した長崎海軍伝習所で藩士に海軍技術を学ばせます。
その後、長崎海軍伝習所の閉所に伴い、佐賀藩は「三重津」で本格的な海軍教育や訓練をスタートさせ、さらに洋式船の修復や造船も行ないました。その場所が、早津江河口、佐野常民記念館に隣接している「三重津海軍所跡」です。
広い三重津海軍所跡ですが、双眼鏡のような「みえつSCOPE(スコープ)」をのぞくと、当時の様子がCG画像で再現されます。遊び感覚で楽しく歴史を知ることができますよ。
まずは「佐野常民(さのつねたみ)記念館」へ。海軍所の歴史や日本赤十字社の産みの親「佐野常民」の資料を展示しています。
「三重津海軍所跡」は歴史公園として整備されています。ここに洋式船の修理を行うドックがありました。有明海の干満の差を利用して船を出し入れさせたそうですよ。
佐野常民記念館内には、パネル等で「三重津海軍所跡」の歴史などを紹介しています。写真やCGでわかりやすく解説されているので、お子様もOK!
館内に直径6mの「みえつドームシアター」登場。中に入ると、三重津海軍所創設までのストーリーを大パノラマで楽しめます(観賞無料)。上映時間は約5分30秒です。
椅子や仰向けになれるソファなどが用意された「みえつドームシアター」。ドーム状のスクリーンいっぱいに映像が映し出され、迫力満点。
「みえつSCOPE」を借りて三重津海軍所跡へ。イヤホンをして案内板に沿って歩くと、説明が聞こえ、スコープをのぞくと当時の様子が目の前に! まさにタイムトリップ!
スコープをのぞくと、何もない公園が特別な場所に見えてきます。藩士が大砲などで練習する様子やドッグで洋式船の修理を行う様子などを知ることができます。
「GW期間中は蒸気車ひな形走行実演など、楽しいイベントを開催します。ぜひ遊びに来てくださいね!」と佐野常民記念館のスタッフの皆さん。
「薩長土肥スタンプラリー」実施中(2018年12月31日まで)。必要数のスタンプを集めて応募すると、抽選で特産品詰合せなどがプレゼントされます。
DATA
佐野常民記念館
○住所:佐賀市川副町早津江津446-1
○TEL:0952-34-9455 FAX:0952-34-9465
○開館:9時~19時(展示室は17時まで、みえつSCOPEの貸出最終受付は16時30分)
○休館:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
○入館:無料(展示室は大人300円・高校生以下100円)
※みえつSCOPEの貸出は本人を確認する書類が必要です。運転免許証や保険証等をご提示ください。また精密機器のため、小学生以下のお子様だけの使用はできません。保護者の方と一緒にお楽しみください。また、機器は水に弱いため、雨の日は館内での使用になります。
※参考:佐野常民記念館ホームページ
長さ60センチ! 超ロングの「三重津海軍ドッグ」! DAIDAI CAFE(ダイダイ カフェ)
「みえつSCOPE」で海軍所跡を楽しんだら、ランチはすぐ目の前のDAIDAI CAFE(ダイダイカフェ)へGO!
イチ押しは、「三重津海軍ドッグ」。大舟サイズを注文したら、長さ60センチという超ロングサイズのホットドッグが登場してビックリ! パン生地はサクッとしていて、特大サイズのウインナーとカレー風味のツナは油っこくなく、意外にペロリと食べられます。
回転焼風の「みえつまんじゅう」は、黒あん、白あんの定番メニューのほか、有明海とツナマヨ、ベーコンチーズなど10種類以上あります。他にシシリアンライスやカレー、ドリンクなどもあり、フラッと気軽に立ち寄れるカフェです。
蒸気汽船をイメージした「三重津海軍ドッグ」大舟サイズ。当時の鍋島藩の旗や、レンコンなど地元特産品を取り入れながら、見事に再現。カレー風味で大人も子どもも喜ぶ味!
みえつのB級グルメ「みえつまんじゅう」。小腹がすいた時にぴったりですね。10種類以上の具材があり、季節限定メニューもあります。
「ふわふわマシュマロと佐賀県産べにほっぺ」は春限定メニュー(1個200円)。口にすると、ほんのりイチゴの甘さが広がります。
店内は、おばあちゃん家を思わせる茶の間スタイル。ちゃぶ台を懐かしく思い出す人もいるのでは? メニューは斬新でも、のどかさと温かさのあるカフェです。
店内は情報スポットにもなっています。また店頭では奇数月に雑貨販売やワークショップを行う「オレンジマーケット」を開催。詳細はFacebookをチェックしてね。
店内でゆっくり食べてもいいし、テイクアウトもOK。注文を受けてから焼くため、少し待ちますが、焼き立てアツアツを味わえます
DATA
DAIDAI CAFE(ダイダイ カフェ)
○住所:佐賀市川副町早津江津470
○TEL:080-3980-0232
○営業:11時~19時
○休み:火曜
○料金:三重津海軍ドッグ小舟500円・大舟1480円、みえつまんじゅう100~200円ほか
○駐車場:あり
※Facebookはコチラ→DAIDAI CAFE
佐賀のイッピンを揃えたお土産ショップ ホスムスカモス
ランチを済ませたら、カフェのお隣、「ホスムスカモス」に足を伸ばしましょう。どんな店か、を問う前に、どう読んだらいいか、と聞きたくなりますね。ホス、ムス、カモスと読み、干す、蒸す、醸すが名前の由来です。思わず納得!ですね。
高い天井が印象的な店内には、佐賀の名品がズラリ。オリジナルの手ぬぐいから、高級なお米、地元で獲れた海苔、人気のスイーツ、ドリンク、木製おもちゃまで、佐賀産の衣食住グッズが揃っています。いずれもスタッフが厳選したもので、いわば佐賀のセレクトショップといえます。ドリンクやランチメニューもあり、飲食もできます(ランチは2日前までに要予約)。
人気の高い「アイス382(みえつ)ワッフル」(左から特濃ミルククリーム、うれしの抹茶、ブルーベリー、1個216~248円)と、野中蒲鉾のおさかなドーナツ(130円)
「DAIDAI CAFE」の隣にある「ホスムスカモス」。店内で販売しているスイーツやドリンク、カフェメニューを味わうことができます。
店内には海苔、お菓子、麺類、お酒、今すぐ食べられるスイーツ、器、Tシャツ、今話題の冨永ボンド氏のスマートフォンカバーなどが所狭しと並んでいます。
DATA
ホスムスカモス
○住所:佐賀市川副町早津江津470
○TEL:050-5308-5098
○営業:10時~17時30分
○休み:不定
○駐車場:あり
※Facebookはコチラ→ホスムスカモス
内閣総理大臣で早稲田大学の創設者の足跡をたどる 大隈重信記念館・生家
明治期に活躍した人で忘れてならない人が大隈重信(おおくましげのぶ)です。早稲田大学の創設者として知る人も多いでしょう。彼がどのように育ったかを知るには、生家と大隈重信記念館がオススメです。
記念館の館内には大隈候の遺品や早稲田グッズが展示されています。字があまり上手でなかった逸話などを知ると、アカデミックな存在だった大隈候がグッと身近な存在になりますよ。
隣の生家は約200年前に建てられた武家屋敷。今年2月に改修工事を終えました。2階には、大隈候の勉強部屋があります。勉強中に眠くなった時、頭がごっつんとぶつかるように、母親が柱のでっぱりを残したと伝わります。後の大人物は、母親の厳しくも大きな愛によって育まれたのですね。「ごっつん柱」は毎月5のつく日に公開されています。皆さんも一度、「ごっつん」してみてください。
大隈重信の顔をイメージして造られたと言われる大隈重信記念館。左側面の穴は爆弾で片足を失った姿を現しているそうです。
記念館の建築にもご注目。東西の柱の上部をアーチ型で結んで東西文明の調和を表し、赤いステンドグラスは早稲田カラー、踊り場の青い光は母の慈愛を表現しています。
赤いじゅうたんの階段の上に飾られた深紅のアカデミックドレスは、大隈候がこよなく愛したと言われます。赤は大隈候のシンボルカラーですね。
義足、小刀を隠していたステッキ、書、碁盤など、公的なものから私生活を感じさせるものまで、大隈候の遺品や資料などが展示されています。
緑の美しい庭を臨むライブラリーカフェは、休憩スポットに最適。大隈候の人となりを知る映像で見ることができ、コーヒーも飲めます(セルフサービス1杯100円)。
ライブラリーには「合格祈願・念願成就」コーナーも。早稲田大学希望でなくても、受付OK。願い事を書いたお札は、館のスタッフが神社に奉納してくれるそうですよ。
生家は江戸時代の武家屋敷で、木造瓦・葦葺き併用の一部2階建て(建坪55坪)。2階には、藩校・弘道館に入学する大隈候のために母が勉強部屋を増築しています。
座敷、次の間、居間、板の間など、たくさんの部屋があります。廊下も広々。実際に上がれますので、大隈候の息吹を感じてみましょう。
勉強部屋に残された通称「ごっつん柱」。母が、改築時に柱のでっぱりを残したと言われます。毎月5日、15日、25日に特別公開されています。
DATA
大隈重信記念館
○住所:佐賀市水ヶ江2-11-11
○TEL:0952-23-2891
○開館:9時~17時
○休館:年末年始(12月29日~1月3日)
○入館料:大人300円・小中学生150円
○駐車場:あり
※4月29日(土・祝)~5月8日(日)、ボランティアグループが生家を案内します(無料)。
<大隈重信記念館開館50周年記念 大隈祭>
○日時:5月14日(日)9時30分~15時
○会場:大隈重信記念館
○伊藤比呂美講演会:11時20分
○料金:無料
○定員:150名
○お問合せ:大隈重信記念館TEL0952-23-2891
歴史寸劇で佐賀の八賢人を知ろう! 佐賀城本丸歴史館
常設展示がリニューアル
H29年3月に「近代を拓く-鍋島直正と幕末佐賀藩-」をテーマに常設展示をリニューアル。透明ディスプレイや80インチの大画面モニターを新たに設置し分かりやすく展示しています。
ゴールデンウィークイベント
○昔あそび~やってみよう・作ってみよう~
○昔風衣装を着てみよう
○昔風写真を撮ってみよう~湿版写真風ポートレート撮影~DATA
佐賀県立佐賀城本丸記念館
○住所:佐賀市城内2-18-1
○TEL:0952-41-7550
○開館:9時30~18時
○休館:12月29日~31日
○入館料:募金をお願いしています
○駐車場:あり
幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊
佐賀には、幕末から明治期にかけて活躍した8人の賢人がいます。一人は強いリーダーシップのもと、西洋の科学技術を用いて数々の事業に取り組んだ藩主・鍋島直正(なべしまなおまさ)。その直正の指令を受けて蒸気機関の研究などを行い、赤十字社も設立した佐野常民(さのつねたみ)、前述の大隈重信。そして、江藤新平(えとうしんぺい)、大木喬任(おおきたかとう)、島義勇(しまよしたけ)、副島種臣(そえじまたねおみ)、枝吉神陽(えだよししんよう)です。
佐賀城本丸歴史館では、彼らの人生と業績をドラマ仕立てにした歴史寸劇が上演されています。上演は、毎週日曜、1日5回 一回約20分。3人ずつ登場する劇で、上演演目は約20作品。週替わりでお楽しみいただけます。時間は10時~、11時30分~、13時~、14時30分~、最後が16時~です。演目はブログで掲載しています。
館内には、佐賀藩が取り組んだ築地反射炉建造や大砲鋳造、蒸気機関研究、三重津海軍所などにまつわる資料が展示されています。こちらも見てくださいね。
また5月13日(土)には、大隈祭前夜祭として林真理子トークイベントが開催されます。詳細は応募サイトをチェック!
佐賀城本丸御殿の一部を忠実に復元した佐賀城本丸記念館。2500㎡という広さは目を見張ります。
八賢人を演じる「佐賀の八賢人おもてなし隊」の皆さん。平日は各種イベント会場で公演を行うことも。
観賞後、97%が「大変面白かった」「面白かった」と回答するほど高い評価を得ています。
佐賀の八賢人おもてなし隊公演
○上演日時:毎週日曜5回(①10時②11時30分③13時④14時30分⑤16時)
1回の上演時間20分
○会場:佐賀城本丸歴史館
○料金:無料
※参考:幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊ホームページ大隈祭前夜祭 明治維新と大隈重信 明治維新トークイベント
○日時:5月13日(土)16時30分開場・17時30分開演
○会場:佐賀城本丸歴史館
○ゲスト:林真理子(作家)、島善高(早稲田大学教授)、江口直明(大隈重信記念館館長)、山口祥義(佐賀県知事)、中尾清一郎(佐賀新聞社社長)
○料金:無料
○定員:300名
○申込:①郵便番号・住所②氏名③年齢④電話番号と、「明治維新トークイベント参加希望」と書いて、応募サイト、またはFAX(0952-27-7162)でお申し込みください。お申し込みは1名まで。
○申込〆切:4月27日(木)
○お問合せ:明治維新トークイベント事務局TEL0952-27-7160
佐賀藩の歴史が楽曲になりました! 「The SAGA Continues...」
2018年に明治維新150年を迎えるにあたり、県の歴史と偉人たちを広く知ってもらおうと、佐賀藩をけん引した第10代藩主・鍋島直正の類まれなリーダーシップと、世界を見ていた広い視野をテーマに楽曲「The SAGA Continues...」を制作しています。特設サイト等でミュージックビデオを視聴できますので、是非ご覧ください!
DATA
ミュージックビデオ「The SAGA Continues...」
URL https://youtu.be/Exn9Ypze-TY
特設サイト「The SAGA Continues...」
URL https://sagaprise.jp/thesagacontinues/