新緑がうたう 黒髪山トレッキング

新緑がうたう 黒髪山トレッキング

新緑まぶしい季節となり、山もみずみずしさを取り戻しました。佐賀県内の山は4月に山開きを終え、すでに各地の山でトレッキングを楽しむ姿も見かけられます。今回は、黒髪山にスポットを当て、トレッキングの魅力と注意点などをお届けします。

※この情報は2016年5月時点のものです。

黒髪山は火山だった!? 300万年前の火山活動で誕生

 黒髪山(くろかみやま)は有田町と武雄市にまたがる山で、昭和12年、佐賀県初の県立公園に認定されています。太古の頃、一帯は火山であり、黒髪山は300万年前の噴火活動によって誕生したと考えられています。
 また弘法大師・空海が唐に渡る際、ここ黒髪山を訪れて航海の無事を祈願したといわれ、そのような伝説から修行僧が訪れるようになり、修験の山としても知られています。
 黒髪山(標高518m)は、牧山(543m)、青牧山(553m)、青螺山(せいらざん、618m)、蛇焼山(じゃやきやま、505m)、本城岳(前黒髪山、482m)、後黒髪山(465m)などに囲まれ、黒髪連山とも呼ばれます。また蛇焼山は大蛇退治伝説ゆかりの山です。


有田町と武雄市にまたがる黒髪山。標高は518m。自然豊かで美しい景観を誇り、一帯は佐賀県立公園に指定されています。


乳待坊(ちまちぼう)公園からは雄岩(おいわ)、雌岩(めいわ)が見えます。山水画を思わせる独特な景観が印象的です。


黒髪連山は300万年前の火山活動によってカルデラの中に誕生したと考えられます(黒髪山を守る山の会の資料より)※写真クリックで拡大

駐車場、トイレのある竜門峡登山口からスタート

 黒髪山は決して高い山ではなく、頂上が360度開けて見晴らしの良い山です。しかし、もともと岩場で足下には石ころが多く、最後の登りが鎖場になっているため、低山の中ではなかなか手ごわい山といわれます。その分、登りがいもあります。
 登山口は竜門峡(有田町)と乳待坊公園(武雄市)がありますが、トレッキングの7割近くの人は竜門峡から登っているそうです。竜門峡には駐車場、トイレがあり、山の家案内所で山の情報も入手できます。またこちらのルートには渓谷があり、景観美を楽しむことができます。


竜門峡の山の家案内所。駐車場(76台)、トイレがあり、地図(100円)や飲み物(150円)を販売しています(土・日・祝の9時~16時開館)。


山の家案内所の館内には関連書籍が置かれ、黒髪山周辺の地図や山で見られる植物・動物の写真を掲示しています。


山の家案内所の入口には、山に生息する動植物の写真パネルや所要時間等を記した案内板があります。登る前にチェックしておきましょう。


山の家案内所のわきに登山口があります。小さな橋を渡っていよいよトレッキングがスタート!杖を借りて行けば1.5馬力!?


橋を渡ると、方向を記した案内板があります。キャンプ場を抜け、足下に気をつけながら、自分のペースで進みましょう。救助番号を覚えておくと、万一の時に便利です。


黒髪山周辺の地図(100円)。広域図は、有田観光協会のホームページからダウンロードできます。(ダウンロード[PDF]

自然と歴史に恵まれた黒髪山。低山だけれど、あなどるなかれ

 山の家案内所は土・日曜・祝日の9時~16時に開館し、開館時には「黒髪山の自然を守る連絡協議会」のメンバーが駐在しています。メンバーの吉島幹夫さんによると、黒髪山の魅力は、①自然が豊か、②修験の場である黒髪山西光密寺など歴史スポットも多い、③焼きものなど、下山後の楽しみも多い、のだとか。また「低山で登りやすい山だけれど、あなどると怖い山」だとも言います。もちろん、どの山にも言えることですが、特に黒髪山は足下が土でなく石ころが多いため、ねん挫をする人もいるそうです。登山靴を履いてゆっくり歩きましょう。


登り口からキャンプ場を抜け、森のシャワーを浴びながら歩いていきます。木々で光は遮られますが、風が通りにくいため、熱中症にご注意。


竜門峡キャンプ場があり、バンガローやテントサイト、共同炊事場、トイレを整備しています。寝具類はないため寝袋等を持参してください。


岩が隆起した山ですから奇岩の景観を楽しめる一方、足下に岩も多いのが特徴。登山靴を履いて注意しながら、自分のペースで歩きましょう。

登山口から頂上まで約1時間30分のコース

 おすすめのルートは、竜門峡登山口・山の家~見返峠~天童岩のコース。ここから同じルートを戻ってもいいし、体力がある人はさらに天童岩から蛇焼山~鬼の岩屋~竜門峡登山口・山の家というように、クルリと1周するといいでしょう。登山口から青牧峠~牧山への縦走は初心者にはハード。経験を積んでから行きましょう。体力や時間がないという人は、黒髪山西光密寺まで車で行き、そこから天童岩を目指す方法もあります。


竜門渓谷公園「夫婦滝」(山の家から約20~30分)


二俣


見返峠(山の家から約50分)

やや苦しい鎖場を抜けると360度の眺望が待っている

 竜門峡登山口・山の家から見返峠まで約50分。そこからさらに上を目指します。クライマックスは、30~40人が一度に座れるという天童岩(てんどういわ)。ここは視界が360度開けて眺望抜群!しかし、鎖を握りながら岩を登ることになります。滑らないように用心してゆっくり登ってくださいね。
 また、登山ガイドと一緒に登ると安心ですし、植物なども教えてもらえて、トレッキングの楽しみが広がります。ガイドは「SAGAアウトドアガイドクラブ」に相談しましょう(要入会、入会金なし、ガイド料1日2万円)。同クラブは県内の山に詳しく、山の自然を守る活動や登山などさまざまな活動を行っています。


西光密寺までは車でも行くことができ、ここから天童岩を目指すこともできます。所要時間は約30分。


天童岩の東面


見返峠から黒髪山への登り道


頂(天童岩)からの眺望


一度に30~40人が座れる天童岩


天童岩から東方を見た景色


天童岩と初日の出


鬼の岩屋


6月頃に見ることができる「スイカズラ」

DATA
黒髪山
ルート(約3時間)
竜門峡登山口・山の家(標高123m)~竜門渓谷~二俣(標高205m)~見返峠(標高347m)~黒髪山・天童岩(標高518m)~(又は黒髪山西光密寺~黒髪山・天童岩)~蛇焼山~鬼の岩屋~二俣~竜門渓谷~竜門峡登山口・山の家
・山の家から二俣まで約20分
・山の家から見返峠まで約50分
・見返峠から黒髪山まで約40分
お問合せ:
・竜門峡・山の家案内所(吉島さん) TEL 080-1761-3190(9時~17時)
・有田観光協会 TEL 0955-43-2121
・SAGAアウトドアガイドクラブ TEL 0952-29-8498
※参考:
黒髪山案内(パンフレットをダウンロードできます)
有田観光協会ホームページ
武雄市観光協会ホームページ

Tweet