人にやさしいバリアフリーの嬉野へ

人にやさしいバリアフリーの嬉野へ(嬉野温泉編)

「お年寄りや体の不自由な家族を連れて温泉に行きたい」。そんな希望を叶えてくれるのが嬉野温泉です。温泉旅館の一部は、改装してバリアフリーの部屋を用意しています。
嬉野温泉では、寒い冬だからこそ楽しめるイベント「うれしのあったかまつり」も始まりました。今年は灯りがバージョンアップ。さらに新しいカフェやご当地グルメも生まれています。人にやさしい嬉野温泉で、「美肌の湯」と幻想的な灯り、温かい食べものをどうぞお楽しみください。

※この情報は2014年1月時点のものです。

バリアフリーツアーセンターに相談

 嬉野市は「日本一のバリアフリーのまち うれしの」を掲げ、高齢者や障がい者、外国人の区別なく誰もが楽しめるまちづくりを行っています。嬉野温泉の一部の宿は、バリアフリーの客室を用意しました。温泉旅行をサポートするのは、嬉野温泉観光協会に設置された「佐賀嬉野バリアフリーセンター」です。お年寄りや体の不自由な方を連れて旅行したいとき、まずはここに電話をして、どんなことをしたいか、相談しましょう。
○お問合せ:佐賀嬉野バリアフリーセンターTEL0954-42-5126 FAX0954-42-0361(8時30分~19時、日曜・元日休み)


嬉野温泉観光協会にある「佐賀嬉野バリアフリーセンター」。バリアフリーの旅館・ホテル、店の紹介、車椅子のレンタルなどに応じています。


温泉街のお店にはこんな看板があります。「筆談できる」など、そのお店ができることを書いているのです。


足湯もバリアフリー。マークの書かれたところは車椅子を湯船に近づけられ、車椅子に乗ったまま足をお湯につけることができます。

12軒の旅館・ホテルはバリアフリーの客室があります

 嬉野温泉の12軒の旅館・ホテルは一部を改築し、それぞれの雰囲気を生かしながらバリアフリーの客室を用意しました。どこも部屋に広いトイレを用意していますが、部屋のタイプは洋室もあれば、和室もあり、お風呂付きもあれば、お風呂は家族湯を利用するなど、少しずつ異なります。
 「バリアフリーツアーセンター」の事務局長・吉川博光さんによると、旅行の相談があったとき、障がいの程度、希望する部屋のタイプ、介助の有無、予算などを丁寧に聞き取り、ベストなものを提案しているといいます。「半身麻痺」とひと言で言っても右半身と左半身では利用できる浴場やトイレが異なるため、旅館の紹介には気を配らねばなりません。そこで部屋の間取り、設備を調べて、きめ細かな対応をしています。手間はかかりますが、そこまで対応するのは「お客様の希望を叶えたい」から。中には6連泊、10連泊するお客様もいらっしゃいます。温泉旅行を楽しみ喜んで帰るお客様の笑顔がツアーセンタースタッフの支えになっています。

○バリアフリー対応の旅館・ホテル:和多屋別荘、大正屋、嬉野館、和楽園、グランド鳳凰、入船荘、旅館初音荘、松園、湯宿清流、椎葉山荘、割烹旅館鯉登苑、千湯樓


「松園」のバリアフリーの客室。10畳の和室にこたつスペースがあります。写真は簡易ベッドとテーブル、椅子をセットしたものです。


「松園」の浴室。もちろん温泉です。洗い場が畳敷きになっているので、床に座っても安心です。


トイレも広々としていて、車椅子でもラクに入れます。洗面所も家族が並んで使えるようになっています。

「シーボルトの湯」は車椅子のまま入浴OK

 嬉野川沿いにある「シーボルトの湯」は2010年にオープンした公衆浴場で、大正時代の建物を再現しています。ここもバリアフリーになっています。
 まず入口には「介添えなどをご希望のお客様へ」の看板とともにインターホンが設置されています。ロビーは段差がなく、スロープや手すりがあるため、足が不自由な方も安心です。
 浴場は車椅子のまま湯船に入れる貸切湯があります。器具の座面に腰かけ、リフトのように持ち上げて湯船に下ろすというタイプで、一人の介助があれば、椅子に座ったまま湯船にゆっくり浸かることができます。事前に予約したほうがスタッフの手を借りることができ、スムーズです。


「シーボルトの湯」の入口。インターホンが設置され、介助が必要なときはスタッフが対応してくれます。


浴場に器具を用意し、椅子に座ります。シートベルトで体を固定し、ハンドルを回すと座面がフレームからはずれて持ち上がります。揺れは少なく、人が前に倒れないよう工夫されています。


湯船のほうに向きを変えてハンドルを回すと、座面が湯船に...。椅子に座った格好でお湯に浸かることができ、まさに'温泉'を味わえます。人手が必要なときはスタッフが手助けしてくれます。

灯りで彩る「うれしのあったかまつり」開催中!

 寒い冬に温泉と灯り、特産のお茶、名物の温泉湯豆腐で心身ともに温まってもらおうという「うれしのあったかまつり」が、1月25日(土)~2月16日(日)、嬉野温泉一帯で行われます。
 温泉公園や豊玉姫(とよたまひめ)神社、湯遊(ゆうゆ)広場など4つの会場に灯籠が置かれ、日が沈むと灯りがついて幻想的な夜を演出します。今年からメイン会場になった温泉公園には、新規の灯り40個が灯ります。これはお客様が火を灯す参加型の灯籠です。ぜひご参加ください。また嬉野川に浮かべた「浮き灯籠」もお見逃しなく!
 同時開催の「食のイベント」も充実しています。「あったか処」では、ぶた汁&温泉湯豆腐を100円で、「あったかcafe」ではうれしの紅茶とお菓子セットを300円で販売。地元の人びとが提供します。温かい食べものと温かい人びととの触れ合いをお楽しみください。
まつりの詳細はイベントマップ(PDF)イベント一覧(PDF)をご参照ください。


色とりどりの灯籠が嬉野温泉街を温かく照らします。「灯りのイベント」は温泉街の6カ所で開催中です。灯りめぐりを楽しんでくださいね。


温泉街に趣向を凝らした灯りが登場。温泉公園や豊玉姫神社には恋人たちの願いや人生の願いを叶える「愛の灯り」もありますよ。


温泉公園(期間中の土曜19時30分、日曜13時~16時)や湯遊広場(期間中の日曜11時~14時)などであったかグルメを販売します(100円~)。

新スポット「嬉野カフェ」でコーヒーブレイク

 「シーボルト湯」のすぐ近くに2013年10月、「嬉野カフェ」がオープンしました。以前は旅館だった建物を利用し、一部を改装して喫茶コーナーになっています。ドリアやカレーなどの軽食(600円~)、ドリンク(300円~)、ケーキセット(500円)などがあり、ランチや休憩にぴったりです。
 建物奥の大広間は芸妓さんたちの踊りを披露する場所として開放。「あったかまつり」の期間中、嬉野温泉の芸妓さんたちがしっとりとした舞を見せてくれます。

○お問合せ:嬉野カフェ(嬉野市嬉野町大字下宿乙834)TEL080-2741-5051(11時~17時、不定休)


和と洋がうまくマッチしたモダンな「嬉野カフェ」。嬉野紅茶や雑貨も売っています。


喫茶コーナーは、カウンターのほかにテーブル席、ソファ席、まったりできる座敷があります。


人気は甘いスイートポテト(360円)。大きくて、これだけでお腹いっぱいになりそう。

「うれしの茶飯」できました!

 嬉野温泉に新ご当地グルメ「うれしの茶飯(チャーハン)」ができました。茶飯とは、嬉野名産のお茶を使ったご飯で、5つの飲食店がそれぞれ工夫を凝らしてメニューを考案しています。
 例えば、温泉湯豆腐で有名な「宗庵よこ長」では、やさしいお茶の味が口の中に広がる「茶めししんじょう」が登場。新鮮な魚介料理を提供している「いろり焼 勝ちゃん」では、無農薬栽培のお茶「べにふうき」の粉茶を使ってご飯を炒めた「茶飯」、イタリアンレストラン「オステリア・ウーヴァ」では「緑茶のリゾット」を味わえます。下記の5店が提供しているので、一度ご賞味ください。

○参加店舗:KiHaKO、宗庵よこ長板前 東屋いろり焼 勝ちゃん、オステリア・ウーヴァ
○提供期間:1月25日(土)~2月16日(日)


普段は刺身や湯豆腐を提供する「いろり焼 勝ちゃん」の店主・森勝昭さん。「いろいろ試したんだけどね、茶飯というからには炒めたがよかかなと思ってね」。自慢の逸品ができました!


「いろり焼 勝ちゃん」の「茶飯」。「べにふうき」を使って炒めたあんかけご飯に県産黒毛和牛が添えられています。アツアツの鉄板で提供され、お吸い物又はみそ汁がついて800円。


「KiHaKo」(キハコ)の茶飯は「シシリアンライス」。好きな具材を混ぜたり、ソースで調整したり、自分好みの味を楽しめます。

DATA
「第14回うれしのあったかまつり」
○期間:平成26年1月25日(土)~2月16日(日)
主なイベント:
・灯りのイベント:百句百灯華灯籠、うれしのランタン、華灯り、百彩灯り、恋人たちの灯り、願いの灯り、陶器灯籠、私たちの夢灯り
・食のイベント:あったか処(ぶた汁、温泉湯豆腐販売)、あったかcafe(紅茶と菓子セット販売)、あったか温泉蒸し(温泉卵、さつま芋販売)、食のやすみ処「ぬっかもん」(ぜんざい販売)、百円茶屋(うれしの茶と菓子販売)、あったか御膳(協賛料飲店)
○交通:長崎道嬉野インターから車で約5分、または博多及び天神から高速バス「九州号」で嬉野バスセンターまで約1時間20分
○お問合せ:うれしのあったかまつり推進協議会(嬉野温泉観光協会内)TEL0954-43-0137

泊まって、ゆっくり灯りと温泉を楽しもう!

 「灯りのイベント」は暗くなってからのお楽しみ。となれば、旅館やホテルに泊まってゆっくりイベントと温泉を楽しみたいものです。
 「あったかまつり」期間中は、14軒の旅館・ホテルで「1泊朝食付きプラン」を提供中です。夕食はまちに出て「うれしの茶飯」や温泉湯豆腐、お寿司、焼肉などを味わうのもおすすめです。
旅館・ホテルは嬉野温泉観光協会にお問合せくださいね。
○嬉野温泉観光協会TEL0954-43-0137

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