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左端に山菜を箱詰めしている手元の写真、中央に山菜園の風景の写真、右端に山菜会席の写真の集合画像

里山&温泉街を散策。 古湯温泉を2倍楽しむ 「山菜ツーリズム」とは?

YO-WRITE
2024年06月07日

佐賀市富士町の古湯温泉は、実はJR佐賀駅からいちばん近い温泉街。福岡市からも車で約1時間ほどのアクセスのよさで人気の観光地です。
この古湯温泉とあわせて、ガイドさんと行く里山散策と旬の山菜満載のランチをセットにした旅のプログラムが「山菜ツーリズム」として楽しめるんです。季節は夏を迎える前、草木がぐんぐん成長し小さな生き物たちも元気に活動する頃。里山の楽しさ・美しさを堪能するなら、今が最高です!
山菜園を訪ねるプチ山歩き&温泉街の街歩きで、ちょっとした非日常感を楽しんでみませんか。

五感で楽しむ里山歩き

写真:菖蒲公民館の外観

訪れたのは佐賀市富士町大字関屋、嘉瀬川ダムの少し上流にある菖蒲公民館です。この付近は菖蒲地区と呼ばれるそうです。自然の水と緑にめぐまれた土地らしくてすてきですね。
集合場所は条件によって多少変わりますので、プログラム参加申し込みの際に確認しましょう。

ガイドさんのレクチャーで里山観察の解像度が上がる!

写真:県道から登る小さな山道
写真:山道を散策するグループの様子。ガイドさんが道端の野草について説明しており、参加者がガイドさんを囲んで説明を聞いている

ガイドさんと合流したら、さっそく山菜園を目指して出発!川沿いの道から小さな山道へ入り、歩いて10分程度の道のりです。
歩く道中も、ガイドさんが道端の野草についてあれこれ教えてくれますよ。

写真:野草をの葉を持っている手

道の左右に気になる植物がいっぱい、ついつい足をとめて見入ってしまいます。そうか、これが「道草」ってことか~!!と、なんだか納得。草木を眺めて野鳥の鳴き声に耳を傾けて、のんびり行きましょう。

写真;木立から木漏れ日がさしている様子
写真:山道を散策している10名弱のグループ。奥は森が開けて空が広がっている

足元には個性豊かな野草たち、頭上にはキラキラの木漏れ日。里山散策は360度見どころばかりです。
森が開けてきた先には山菜園と水田があります。

写真:山菜園の入り口。「山菜の杜 森の香菖蒲ご膳」の看板がフェンスにかかっている
写真:山あいに開けた山菜園

こちらの山菜園は、ランチをいただく「森の香 菖蒲(しょうぶ)ご膳」が管理しています。
山菜園ではさまざまな植物が育てられています。季節によって観察できる植物は変わり、その時の“旬”の山菜を教えてもらえるのも楽しいですよ。
名前は知っていても姿は初めて見た!という草木にも出会えるかもしれません。

写真:わらびを持っている手元
写真:男性の足元によく茂ったぎぼうしの株が植わっている様子

ガイドさんが持っているのはおなじみの「わらび」。右は、初めて見た「ぎぼうし」が植わっている様子です!

写真:水田の奥に山の斜面が見えている様子

山菜園の楽しさは植物だけではありません。
あちらこちらからかわいいカエルの歌が聞こえ、水を張った田んぼにはちっちゃなオタマジャクシが泳いでいます。春から夏の里山はとってもにぎやかなんです。

写真:アマガエルを乗せた手元

緑があざやかなアマガエルさん。ちょっとだけ写真を撮らせてもらって、もとの草むらへ帰しました。
山の生き物たちとは優しく触れ合ってくださいね。

写真:山あいの水田の風景

会社員の日常生活ではなかなか見られないこの風景。心身がほぐれていくひと時を過ごし、山を降りるのが名残惜しくなるほどでした。

山菜づくしのランチはダム湖を望むレストランで

さて、里山散歩のあとはお待ちかねのランチタイム。ほどよくお腹も空いたタイミングです。
ダム湖のほとりの山菜料理レストラン「森の香 菖蒲ご膳」へ案内していただきました。

写真:ウッドデッキからダム湖を望む風景

湖に張り出したウッドデッキからの眺望は最高!この眺めもごちそうのひとつですね。
屋内の座敷席も湖に面しており、美しい風景を眺めながらお食事を楽しむことができますよ。

写真:山菜会席の一部。煮物や前妻、香の物などがテーブルに並んでいる
写真:ウバユリの豆腐

前菜から煮物やお吸い物まで、地元で採れた旬の野菜・山菜づくしのお膳です。その時期の旬の食材がお膳に載りますが、他所ではなかなか食べられない地域の特産品をいただけることも。ウバユリの根を豆腐風に仕立てた一品は、代表的なこの地域ならではのメニューだそうです。
ここだけ、その時だけのおいしさを味わえるのは旅の醍醐味ですね。

写真:天ぷらの盛り合わせが皿に乗っている様子

会席の中心は、その季節の食材を盛り合わせる天ぷらです。つい先ほど山菜園で観察した山菜を盛り合わせの中に見つけるのも楽しい。里山の豊かさが地域の食卓につながっていることを感じる貴重な体験です。

写真:藤の花の天ぷらを箸でつかんでいる様子

盛り合わせをひときわ華やかに彩るのが藤の花です。藤の花をいただくのは初めての体験でした!さくさくの衣の中の花はふんわりやわらかくておいしい!
初めていただく食材や山歩きを通した学びの再発見に、心が弾むランチタイムでした。

写真:テーブルの上に菊芋のジェラートとお茶が乗っている様子

会席にはデザートもついています。菊芋のジェラートは舌ざわりはねっとり、でも味わいはすっきりした独特のおいしさです。
さらに特筆すべきは無料サービスの野草茶!口に含むと驚くほどのまろやかな風味が広がります。この地域では地下水を汲み上げて使っているそうで、やわらかい水のおいしさがダイレクトに伝わるお茶でした。「森の香 菖蒲ご膳」でお食事する際は、ぜひお茶もお召し上がりください。

山の恵みをおみやげに…山菜ボックス作り

写真:手前にざるに乗った山菜が2種類ある。それを箱に詰めている手元の様子
写真:山菜を箱に詰めている手元
写真:山菜を詰めた箱がテーブルの上に3つ並んでいる様子

お食事には、当日採れた山菜をお好みで箱詰めにして持ち帰りできる「山菜ボックス作り」のサービスもつきます!
山菜園の観察体験と旬のお料理を振り返りながら、ブーケを作る気分で箱詰めしてみてくださいね。

スポット情報(2024年6月7日現在)
スポット名 森の香 菖蒲ご膳
住所 佐賀県佐賀市大字関屋3798-33
電話番号 0952-57-2011
営業時間 10時から15時
定休日 毎週火曜日
駐車場 あり
アクセス 佐賀大和インターチェンジから車で約30分
古湯温泉から車で約10分
三瀬トンネルから車で約20分
備考 森の香 菖蒲ご膳(ホームページ)

森の香 菖蒲ご膳

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佐賀駅・佐賀空港から一番近い温泉街を散策

菖蒲地区から車で約10分走ると古湯温泉に到着します。その歴史は古く、徐福が神のお告げを受けて見出したと伝わり、画家・青木繁や歌人・齋藤茂吉などが愛した温泉郷としても知られています。
嘉瀬川のほとり、山あいにぽっかりと開けた街並みは、心なごむ風情があります。ゆったりくつろげるおしゃれなカフェがいくつもあり、福岡方面や佐賀市の中心部から気軽なお出かけ先として足を運ぶ方も多いそう。

写真:ガイドブックとエリアマップとタオルのセットを持っている手
写真:古湯温泉のエリアマップリーフレットを広げて持っている手元

「山菜ツーリズム」参加者にはかわいい観光ガイドブックとエリアマップ、オリジナルタオルのセットがプレゼントされます。マップを片手に温泉街探索へ出発!

古湯・熊の川温泉

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石畳が美しいメインストリート&カエルの歌声響く川沿い

写真:足湯スポットの外観

タオルが活躍するポイントはこちら!街角に足湯スポット「湯遊び場」があり、誰でも自由に利用できます。歩き疲れたらひと休みしましょう。

写真:ハートのパーツがはまった石畳
写真:小石をひらがなの「ゆ」の形にならべて埋め込んだコンクリート舗装路

美しい石畳には遊び心たっぷりの仕掛けもあります。
ハート形のパーツ、小石を組み合わせて作られた「ふ」・「る」・「ゆ」の3文字など。足元の宝探しも楽しんでみて。

写真:嘉瀬川を渡る橋

石畳のメインストリートから嘉瀬川沿いの遊歩道へ。春から夏にかけての季節は、カジカガエルの澄んだ鳴き声が響きます。川のせせらぎとカエルの歌のハーモニーは、いつまでも耳を傾けていたくなる心地よさです。

写真:草木に囲まれた水車小屋の前に湯船につかってくつろぐカエルの石像がある様子

遊歩道付近にあるカエルモチーフの石像は必見です。露天風呂を独り占めしてご満悦の様子……?思わず顔がほころびます。

注目の新施設「古湯貸切温泉 湯の華」

写真:「古湯貸切温泉 湯の華」の入り口外観。屋号を書いた暖簾がかかっている

こちらは2024年5月にオープンしたばかりの「古湯貸切温泉 湯の華」。温泉街のアーチ看板のすぐとなりにあります。

写真:露店スペースにつながっている浴室
写真:浴室および露店スペースにつながっている脱衣室。テーブルとベンチ1脚、イス3脚が置かれている

家族やグループでの利用にぴったりな貸切温泉施設で、全室にサウナと露天水風呂が完備されています。露天スペースでは開放的な気分に浸れますよ。
ひろびろとした脱衣休憩室には飲料の持ち込みOK。お風呂上りに冷たいものを飲めるのは嬉しいですね。

写真:「湯の華」の横手に設置されているバリアフリー入り口

また段差のないバリアフリールームもあり、車いすが通れるスロープ入り口でつながっています。古湯温泉のやわらかなお湯が、どなたにでもプライベート空間で楽しめる施設なのです。

写真:板張りの床に横たわっている猫

入退館を受け付ける管理棟で猫の「せんちゃん」がお見送りしてくれました。お名前は温泉の「せん」にちなんだものだとか。「古湯貸切温泉 湯の華」を訪れたら、ぜひせんちゃんにも挨拶してあげてください!

スポット情報(2024年6月7日現在)
スポット名 古湯貸切温泉 湯の華
住所 佐賀県佐賀市富士町古湯796
電話番号 0952-58-3050
営業時間 9時から22時(最終受付20時)
定休日 毎週水曜日
駐車場 あり
利用料金 【一室】1時間3,500円(一時間ごとに延長料金3,000円)
備品 石鹸 / ドライヤー / シャンプー / リンス
備考 飲料持ち込み可。管理棟のサロンカフェで軽食提供あり。

古湯貸切温泉 湯の華

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おみやげも忘れずに。和洋の甘味が揃う「亀屋」

写真:亀屋の外観
写真:亀屋店内のカウンター式商品ケース

温泉街探索の最後は「亀屋」でおみやげのお買い物。古湯温泉街で和菓子・洋菓子を作っているお菓子屋さんです。

写真:カットされたアップルパイが商品ケースの中に並んでいる様子

名物のアップルパイはアルミカップを敷いたレトロなスタイルがチャーミング。甘さ控えめでりんごがたっぷりな、素朴ながら大満足の味わいです。大切な人へのおみやげにもおうちに帰っていただくおやつにもおすすめです。

写真:トレイに干菓子が10個ほど並んでいる様子

季節のモチーフを取り入れたデザインの干菓子もかわいい!鮎や水鳥など、こんなところにも川のほとりの街らしさが感じられますね。

スポット情報(2024年6月7日現在)
スポット名 亀屋
住所 佐賀県佐賀市富士町大字古湯795
電話番号 0952-58-2345
営業時間 9時から19時
定休日 不定休
駐車場 あり


童心に帰る里山と風情を楽しむ温泉街、ふたつのスタイルの散策を一緒に楽しめる「山菜ツーリズム」。人気の観光地を満喫して、充実した半日の旅でした。
日帰りにも、古湯温泉宿泊の前後にも、佐賀県内の他の観光地宿泊と組み合わせても楽しい旅のプログラムです。ぜひお出かけください!

写真:古湯温泉街を散策するグループ

山菜ツーリズムのお申し込みはこちら

山菜ツーリズム参加お申込みは、(一社)古湯・熊の川温泉観光コンベンション連盟へお問い合わせください。参加者2名から受付可能です。

名称 (一社)古湯・熊の川温泉観光コンベンション連盟
住所 佐賀県佐賀市富士町大字古湯2665-2
電話番号 0952-51-8126
営業時間 10時から17時
定休日 毎週水曜日
駐車場 あり
備考 ふるくま 古湯・熊の川温泉郷(ホームページ)
ふるくま【古湯・熊の川温泉郷】(インスタグラム)

 

じゃらんnetでもお申し込み可能です。こちらのページ(外部リンク)からどうぞ。

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好奇心は人を生かす!楽しそうなことには前のめりで向き合いたい、福岡県出身佐賀市在住のサラリーマンです。趣味はミュージアムめぐり。好きな恐竜はステゴサウルス。佐賀で見つけたオモシロ案件を皆さんへお伝えします!!

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    柴田愛梨

    愛知県岡崎市出身。お試し移住などを体験し、佐賀の虜に。
    現在は海の近く唐津市に拠点を置き、フリーランスで活動中。歴史、やきもの、温泉、おいしい食べ物…そして人の温かさ。佐賀の魅力は数え切れないほど。楽しみながら魅力発信をしていきます!

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    佐賀って実はディープ!知れば知るほどハマる魅力的なスポットと楽しみ方をお届け!
    神奈川県出身、九州を拠点に活動するフリーライター。28歳で福岡へ移住。瞑想が趣味なので、マインドフルネスになれるスポットをご紹介します。

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    あやか

    佐賀生まれ、理系大学生!食べることやお出かけが好きで、Instagramで佐賀の美味しい情報を毎日発信中。趣味はヨガ、好きな食べ物はプリンとお寿司。ライター初挑戦中ですが、私の記事が佐賀を知る、より好きになるきっかけになれたら嬉しいです!

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    佐賀との県境で育った福岡県在住ライター。虫嫌いで運動音痴なのにキャンプ、サイクリング好き、休日は幼い娘と公園&食べ歩き。私の愛する佐賀は、佐賀平野の田畑を走る神埼北茂安線の風景。小麦畑、水田、収穫後の地平線と、季節ごとの変化がたまりません。

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    高原陽子

    広い空、新鮮な食材、おいしい空気。佐賀はどこを訪れても元気をもらえます。佐賀生まれ、佐賀育ちのフリーライター。海外取材のときは、必ず佐賀の米と佐賀海苔をスーツケースに詰めていきます。一番かわいいと思う生き物は有明海に生息するムツゴロウです。

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