2005年12月06日
365日朝風呂にはいる、武雄温泉の朝湯会とは。~後編~
流すお湯と湯気の熱気で浴室はもうもうとしている。
が、息苦しいという感じはしない。
天井と一方の壁の境目が空いていて、その隙間から外に空気が流れているからだ。
洗い場を背に振り返ると2つの浴槽がある。
左右に「あつ湯」「ぬる湯」と木の板に書かれている。
いつも僕は熱いシャワーでサッとすませるので、迷わず「あつ湯」にはいった。
「アツッ!!!」
あまりの熱さに鳥肌が立つ。
「にいちゃん、身体ば洗わんではいると、もっと熱かとばい」
となりの「ぬる湯」でゆったりと肩までつかっているじいさんが言った。
「あつ湯」は無理だ、そう思った僕は「ぬる湯」に移った。
ふーっと息を吐くなり、肩までのじいさんの鼻歌が始まった。
それから、歌いだした。
♪あいさつかわしておじぎして~ 楽しく温泉はいりましょう~♭
○○○○洗うて、しり洗て~♯ きれいな身体ではいりましょう~♪♪
これが武雄温泉朝湯会の歌だと、僕は確信した。
風呂からあがって脱衣所の外にでる。
じいさんたちは廊下の両サイドに並んでいる長椅子に腰掛けている。
僕は空いているところに、座って様子を伺う。
皆一様に、新聞を読みながら紙コップで何かを飲んでいる。
僕は最後の確認をするために、恐る恐る隣のじいさんに声を掛けた。
「皆さんは朝湯会の方ですか?」
じいさんは、そうそうと言いながら話してくれた。
365日ほとんど、元湯の朝風呂にはいりにきていること。
これが健康のバロメーターになっていて、誰かが来ないと心配になること。
朝湯会のメンバーは、10人ほど。
年齢は、60才から80才くらい。
会長と広報担当がいること。
会長は新聞販売店の経営者で、毎朝新聞を会の皆に配達すること。
広報担当は名前だけで、これといった仕事があるわけではないこと。
風呂上りには、決まってコーヒーを飲むこと。
朝湯会の歌があること。
奥さんが一緒に来ている人もいること。
そして、武雄温泉をこよなく愛していること。
僕は、じいさんたちの熱い思いでさらに暑くなったのだった。
投稿者 観光連盟スタッフ : 2005年12月06日 17:48