格式の高さで知られる「佐賀城下ひなまつり」と陶磁器一色に染められる「有田雛のやきものまつり」。その土地ならではの多彩な演出で、見ごたえ十分のビッグイベントです。必見のポイントはどこか、準備に奔走中のお二人に熱く語っていただきましょう。

(中村)佐賀城下ひなまつりのキーワードは「歴史と伝統工芸」。長崎街道を中心とした会場を一巡りすれば、鍋島家にまつわる歴史の奥深さや、佐賀錦・鍋島小紋・鍋島緞通といった伝統工芸品の素晴らしさに引き込まれます。中でも佐賀藩主鍋島家伝来の御道具類を収蔵する「徴古館」では、歴代夫人たちが愛用した貴重な雛人形や雛道具が一堂に展示されるとあって、毎年楽しみにされている方が多いんです。今年はなんといっても「宇和島伊達家からの里帰り展」が見もの。八代藩主鍋島治茂の娘である観姫様が、宇和島藩伊達家へ嫁いだ際にあつらえた古今雛が初めて佐賀へ里帰りします。約200年の時を経てなお漂う品格をぜひ感じてください。
[佐賀城下ひなまつり]
鍋島家より宇和島伊達家に"嫁ぎ"、初めて佐賀に里帰りする観姫様のお雛様。五人囃子や精密なギヤマン雛道具などの御道具類と共に、江戸時代の貴重な歴史遺産としても感動を与えてくれます。
コレも見よう!<今右衛門・桃の節句展>
色鍋島の伝統を今に伝える今右衛門窯から、毎年新作が登場!十四代今泉今右衛門の独自の技法"墨はじき"による殿皿・姫皿が崇高な美の世界に誘います。大正レトロな雰囲気の「旧古賀銀行」にて。
(深江)有田では、日本の磁器発祥の地ならではの豪華さで皆様をお迎えします。今年はついに、磁器製ひな人形7段飾りが完成!人形と御道具の35アイテムが全て磁器製で、高さ2m70cm。昨年は5段までのお披露目でしたが、トータル3年かけてやっと完成形の公開となります。色彩の美しさや文様の細かさ、人形の表情などをじっくり見てください。きらびやかさが際立っていますが、実は、筆を入れるのが最も難しいのは人形の目だそうです。職人さんたちの情熱、そしてプレッシャーは想像を絶するものがありました。製作にたずさわったたくさんの人たちの想いと400年間受け継がれてきた技術がつまっていますので、7段飾りを眺めながら、その背景に思いを馳せてもらえるとうれしいです。
[有田雛のやきものまつり]
圧倒的な存在感。絵具の色の数によっては、一体につき10回ほど繰り返し焼成するという手間がかかっているとか。人形の顔は全て表情が異なるのも注目です。
コレも見よう!<磁器製立ちびな>
お内裏様の高さ56cm、お雛様は43僉△海舛蕕眄こ最大となる立ちびな。親王2体1セットのものが4箇所で展示されます。立ち姿の勇ましさやしおらしさ、また絵付けされた衣装の個性をお楽しみに。
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次郎左衛門雛は丸顔に引目(ひきめ)、鈎鼻(かぎばな)が特徴。これと一緒に婚礼調度のミニチュア版となる雛道具の数々も展示され、どれも驚く程精巧です。
凛とした雰囲気を漂わせる細密画雛人形。その超絶的な技と洗練された世界をお楽しみに。国内外で作品展を開催する葉山氏の作品を間近に見るチャンスです。
(中村)美人・美男子雛はたくさんいますが、「徴古館」に展示されている「次郎左衛門雛」にご注目ください。これは、鍋島藩最後の藩主11代直大(なおひろ)・栄子(ながこ)夫妻が御揃いであつらえたもので、2対で並ぶ姿が圧巻です。明治40年にご夫妻の還暦祝いとして新調されたものではないかといわれています。次郎左衛門雛は、京都の人形師の名前からそう呼ばれている由緒ある雛人形。その丸々と愛らしい顔つきには何度見ても和まされます。
(深江)見た瞬間にハッと息をのむような雛人形が「鷹巣瑞光堂」で展示されます。細密画の技法を確立した葉山有樹氏による2体の細密画雛人形ですが、近づいて見るほどに模様が浮かび上がってくるような、他とはひと味違った感覚を持つのでは、と思いますよ。顔の表情は絵付けではなく彫りで表現されていますが、衣装の緻密な文様が顔の凛々しさを一層引き立てて、美しく見せています。期間中は町内各商店で窯元自慢のひな人形や食器などイチオシが展示販売されるので、あなたの美人・美男子雛を探してみるのも面白いですね。
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佐賀城下には、お弁当から会席スタイルまで様々な雛の膳が登場。写真は市内で一番古い旅館「松川屋」の「ひな御膳・甘酒付(2100円)」。
みた目にも華やかな、ギャラリー有田の「ひいなの桃御膳(2300円)」。佐賀牛をメインに豊富なメニューが自慢の器に彩られています。女性に人気なのも納得。
(中村)このイベントの楽しみといえば、20軒近い飲食店が趣向を凝らして提供する料理の数々。今年は三瀬どんぐり村内にある三瀬高原ホテル「森のオーベルジュ」も参加し、ちょっと足を延ばしてみるのも一興です。会場周辺では老舗の料亭や旅館などで、お弁当や会席を楽しめます。地元の酒蔵自慢の白酒や、ひな寿司、有明海の珍味、佐賀牛などどんなふるさとの味覚に出会えるか、大いにご期待ください。店によっては割引やドリンクのサービスがあるので、まずはハンディサイズのパンフレットを手に入れてチェックしてみましょう。
(深江)食と器のコラボレーションに力を入れている有田では、焼き物ファンを満足させる食事をご用意。窯元より厳選した器に、有田の郷土料理を盛り込んだ「雛御膳」が12箇所の食事処でいただけます。豊富なコーヒーカップコレクションで人気店の「ギャラリー有田」も今年初参加。きらびやかな御膳を堪能させてくれます。ちらし寿司と名物の「ごどうふ」などが盛り込まれ、各店とも春らしい彩りで心もお腹も満たしてくれるでしょう。器使いもぜひ参考にしてくださいね。
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