のどかな山里の風景が広がる神埼・仁比山エリアで、毎年恒例「九年庵(くねんあん)」の一般公開が始まります。国の名勝でもある九年庵の魅力を、生粋の“神埼っ子”である岩永さやかさんがナビゲート。しっとり深まりゆく秋を堪能しましょう。

「九年庵」とは、佐賀の大実業家・伊丹弥太郎(いたみ やたろう)が明治25年に作った別荘のこと。邸宅を囲む大庭園が、9年の歳月をかけて築かれたので、「九年庵」という名前になったそうです。「9」にちなんで、九年庵が一般公開されるのは1年のうち9日間だけ。庭園がもっとも美しく色づく時期に限定公開なんて、とてもぜいたくですよね。
紅葉の状態はその年の気象条件によって異なるので、毎年違った表情が楽しめるでしょう。特に今年は庭の奥の方まで進んでいける遊歩道が新設され、山際の紅葉を間近に見られるようになるそうです。
私は子どもの頃にも家族と出かけたのですが、子供の低い視点から見上げる紅葉も絵になり、今でも忘れられません。紅葉狩りというと大人の楽しみのようですが、ぜひファミリーでも出かけてほしいですね。

庭一面に広がるコケも見どころの一つ。「今年はコケの状態が良く、ふかふかの絨毯を敷き詰めたよう」という情報も。

紅葉の進み具合は朝夕の冷え込みが影響するので予想が難しい。最新の紅葉情報は神埼町観光協会まで問い合わせを。
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九年庵に隣りあう仁比山神社。こちらもモミジの数が多く、紅葉が見事!九年庵見物の後にぜひ立ち寄りたい。
九年庵は神埼中心地から脊振方面に向う山の手にあります。周辺には仁比山(にいやま)神社や地蔵院、仁比山公園、伊東玄朴の旧宅など見学スポットが点在しているので、ゆっくり山里巡りを楽しみたいですね。
九年庵を取材していると、若いカップルが意外と多いんです。実は城原川の両岸に、縁結びにもご利益があるとされる仁比山神社と八天神社があり、まるで両社をつなぐように「愛逢(あいあい)橋」が架かっています。この愛逢橋を渡れば縁が結ばれる…という願いが込められているそうなんです。恋愛成就にあやかりたい人が多いのかもしれませんね。
仁比山神社は由緒ある神社で、神様の使いとされる猿の像や、「金剛水」という名の水が湧く名水スポットとしても有名です。紅葉狩りを楽しみながら開運祈願もすれば、来年もいい年になりそう!
仁比山神社の愛称は「山王さん」。猿は山王さんの使いと言われている。境内には「見ざる・聞かざる・言わざる」の猿像も。
城原川に架かる、日本初の木トラス構造によるアーチ型の橋。橋の欄干が透明板になっているので、見晴らしバツグン!
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「にゅうめん」は神埼の家庭の味。こちらは九年庵近くにある井上製麺「百年庵」の人気メニュー・海老天にゅうめん。
城原川の遊歩道は、愛逢橋を起点にした往復10分程度の散歩コース。ここでお弁当を広げる人も。魚が上流に上る「魚道」も見物して。
九年庵の一般公開には、県内外から数多くの人が訪れます。入場するためには、まず本部テントで発行する整理券が必要です。その時に気になるのが、入場までの待ち時間ですよね。観光協会の情報ですと、「ツアーバスが午前中に集中するため、午後は比較的少ない。特に火・水・木曜の午後がおすすめ。午前中でも朝8〜9時ならスムーズでしょう」とのこと。
でも、たとえ待ち時間があっても大丈夫!本部周辺に出店が立ち並び、特産品の買い物や試食が楽しめます。仁比山公園では温かい「にゅうめん」などをもてなす神埼そうめんの出店や、猿回し芸能もあるそうです。城原川沿いの遊歩道をお散歩するのも、気持ちいいですよ。5分程下流に歩くと、「水車の里遊学館」や今話題の料理店もあるので、ぜひ足を延ばしてくださいね。
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