秋の訪れを感じると、唐津っ子たちの血は騒ぎ、徐々にお祭りムードが高まってきます。待ちに待った唐津くんち。曳子も見物客も感動の渦に巻き込むこの祭りの魅力を、根っからの唐津っ子であるコンセルジュに語っていただきます。


唐津くんちは唐津神社の秋季例大祭。この隣に曳山展示場があり、普段は14台の曳山がおとなしく展示されています。期間中は出店が並ぶのでお楽しみに。
唐津くんちのスタートは、2日の宵ヤマから。赤獅子を先頭に、製作年順に14台のヤマが城下町を駆け巡ります。3日の御旅所神幸では西の浜を目指し、砂地への曳き込みで最大の見せ場に。4日は再び町を一巡し、最後は曳山展示場へ格納されて翌年の出番を待つのです。
唐津くんちは、迫力の凄さと情緒的な部分とそれぞれに魅力があります。迫力なら曲がり角。ヤマの長さによって曲がり方も違うんですよ。うちの鯛ヤマは大回りですが、勢いよく急激に回るヤマもある。その時のお囃子の鳴らし方にも違いがあるのでよく聴き味わってください。見どころは宮島醤油前と市役所前から大手口一帯、アルピノから新興大橋の角など。
また、3日の午前中、唐津神社を出発して大手口から材木町へ続く通りでは、曳山がスピード感あふれる巡行を見せ、14台全てのヤマが揃う光景は圧巻です。地響きするような曲がり角の迫力もスピード感も、曳山のチームワークと気合がすべてなんですよ。

曳山と曳子たちの勇壮な姿は何度見ても惚れ惚れするもの。曳子たちの結束は固く、「言葉でいわなくても分かる」というあうんの呼吸でヤマを曳きます。

3日に開催される、西の浜・お旅所での曳き込みは必見。砂地に車輪がめり込むのを必死で曳き続ける様に誰もが興奮させられます。
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昼間に見る巡行とはがらりと雰囲気が変わる宵ヤマ。近くで見る迫力も、遠くに見る、まるでおとぎ話のようなシーンもとても印象的です。
篠原さん親子3代でヤマに参加。篠原さんが初めてヤマに乗ったのは4歳の時。「学生の頃は、盆・正月には帰省せんかったけど、くんちには必ず帰りました。」
お囃子の音色と“エンヤ、エンヤ”の掛け声が徐々に近づき、薄闇の中に浮かび上がる絢爛豪華な曳山。唐津くんちで最も幻想的な風景に出会えるのが宵ヤマです。レトロな家や商店がまだたくさん残っていますから、そのコントラストがいいですよ。札の辻橋上から見るヤマの眺めもお勧め。もう一つ向こうの橋を渡るヤマの様子と、遠くに見える辰巳櫓が相まって風情あるんですよ。川の水面に映る提灯の灯りなんかも幻想的ですね。
さらに、曳子たちの衣装にも注目です。基本は江戸腹、パッチ、てこ(腕貫き)に赤緒の草履。これに肉襦袢を羽織り、宵ヤマでは長法被をまといます。町によって衣装は様々。裏地に凝ったり、藍染めにしたりこだわりがすごいですよ。魚屋町は京染めの鯛の図柄です。鉢巻も全て違いますし。どれだけ今風の流行服を着ても、くんち装束の格好良さにはかなわないって意識があるんですよ、唐津っ子には。曳子が足並み揃えて過ぎ行く時の、後姿の美しさも見てほしいですね。
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旧高取邸の新しい石垣の通りから唐津城方面へ向かうと、古めかしい石垣通りが現れます。人がただ歩いているだけでも絵になる風景。その先には唐津城が。
唐津くんち会場は、旅気分を盛り上げる見どころが豊富。最近では旧高取邸が一般公開されました。そこから続く石垣の通りは唐津城にも続いているし、しっとりとした雰囲気で、散策するには最適ですよ。実は唐津くんちを眺める穴場の一つが唐津城。はっきりとは見えませんが、くんちで賑わう町の様子を俯瞰で楽しむのも新鮮な感動があります。また、平成16年からは旧唐津銀行を中心に昭和・大正の街並を再現する事業が実施されていますので、レトロな商店街を歩くだけでも十分楽しいですよ。
10月からは町内のあちらこちらでお囃子の練習が始まりました。その音色に包まれた秋の唐津を歩くのも乙なもの。くんちの前に一度訪れて唐津神社や曳山展示場を見て周り、本番に備える、なんていうのもツウっぽくていいですね。

高台にある唐津城は、町を歩けばふと目に入り、唐津にいることを実感させてくれます。午前中にここでくんちを見学してから、町に繰り出すのもお勧め。

明治45年(1912)に創建された旧唐津銀行本店。唐津市出身で東京駅の設計でも知られる辰野金吾氏が自ら監修したと伝えられています。
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