
佐賀市中心部から南西に約3キロ。閑静な住宅地にこんもりと繁る竹林の一画に、一層の静謐さをたたえて高伝寺があります。境内に一歩入れば、心がすっと落ち着くような空気感。早速梅の木々が目に飛び込み、期待が膨らみます。と、その前に高伝寺の歴史をご紹介しましょう。高伝寺は、天文21年(1552)に鍋島清房が創建し、その後初代藩主鍋島勝茂が伽藍・寺領を寄進して鍋島家の菩提寺となりました。山号を恵日山といい、曹洞宗の古刹です。明治4年(1871)に佐賀藩最後の藩主・鍋島直大(なおひろ)が、散在していた鍋島家の先祖の墓と、戦国時代に佐賀を治めていた龍造寺家の墓を高伝寺に集めて整備し、現在のかたちになりました。

重厚にして威風堂々の存在感を放つ楼門。「慧日山」の扁額は有名な即非禅師(明国の僧)の筆。

佐賀の偉人たちの歴史の一端がここに。由緒あるお寺であることを実感。

右に左にと目に入ってくる梅の木々は、どれも大人の目線の高さゆえ、何か語りかけてくるような情緒があります。とはいえ取材時は、まだまだ硬いつぼみの状態。必至に耐えているという感じです。
「古来より禅門では『梅は寒苦を経て芳香を放つ』といいます。人生も同じです」と語るのは住職の高閑者廣憲(たかがわこうけん)さん。なるほど、人も様々な苦難を乗り越えた先に光が見えるということでしょうか。「だから梅は尊ばれるんですよ。また、人と人との出会いを期する花なんです」。どうやら梅の花には、内に秘めた壮大な魅力があるよう。約700本という紅梅・白梅が咲けば、これまでとは違った視点で愛でられる気がします。境内には樹齢約400年の老梅「霊徳寿梅」もあり、ゆっくり散策しながらそれぞれの趣きを味わってください。

取材時はまだまだつぼみの状態。その一つ一つに生命力を感じます。

石燈篭や墓石群に寄り添うように、少しずつ花を開いていく梅の姿、楽しみです。

さて、高伝寺を語る上で欠かせないものがもう一つ。釈迦堂ご開扉法要の時に限り一般公開される「大涅槃図」です。3代藩主綱茂が京都・東福寺に伝来する涅槃像を在住の職人らに写させたもので、縦15.2mと国内最大級。平成22年には、2年の歳月をかけて修復を終えた全体図が九州国立博物館で公開され、大きな話題となりました。釈迦堂での一般公開では高さがないため全体を見ることができませんが、現在高伝寺では大涅槃図をそのまま展示できる塔の建立計画が始動。この価値ある文化・観光資源を、佐賀から世界へ発信できると期待が込められています。まずは4月のご開扉法要で、歴史的修復を経てよみがえった大涅槃図の美術に触れてみてはいかが。

大涅槃図が眠る釈迦堂。実物を目の当たりするとどんな感動が待っているのでしょうか。
■DATA
◎梅の見ごろ:2月
◎観覧料:300円
◎拝観時間:8時〜18時
◎釈迦堂ご開扉法要:4月19日〜5月5日
〇住所:佐賀市本庄町大字本庄1112-1
〇アクセス:車/佐賀大和ICより約25分。JR佐賀駅より10分。佐賀空港より約30分。
バス/佐賀市営バス相応・久富行き乗車、バス停高伝寺前下車、徒歩約5分。
〇問合せ:TEL 0952-23-6486
〇ホームページ(高伝寺)

小城市小城町の最も南に位置する牛尾(うしのお)山。牛尾梅林は、この標高80mほどの小さな山の南西部中腹に広がっています。ここは江戸末期から知られている名所。市街地を南下し、目印となる竹下製菓の建物に沿う山道を上っていくと、さっそく左右に梅の木が現れます。梅は地元農家の方々が大切に守ってきたもの。果実の栽培でも発展を遂げ、栽培の歴史としては牛尾梅林が県内で最も古いと言われています。山頂から少し下った場所には、爽快な眺めとともに「牛尾神社」が存在。延暦15年(796)の創建で、天葺根命(あめのふきねのみこと)をまつっています。源義経が砂金500両や腰旗、弁慶も腰旗を奉納し、その後源頼朝が神領を寄進したという歴史も興味深いところです。

眺めが良く、神々しい雰囲気に満ちた牛尾神社。時間がゆっくりと流れます。

神社に続く丘陵沿いにも梅林が広がり、サプライズ的な眺めが待っています。

山頂までは梅林の中を進むので、一期一会の眺めをゆっくり堪能しながら行きたいところ。なにせ22ヘクタールの面積に栽培されている梅は約13,000本!品種は「白加賀(しらかが)」、「三徳」、「鶯宿(おうじゅく)」の3種で、そのうち85%が「白加賀」となっています。南斜面から徐々に咲いていき、紅梅は比較的下の方にあるとのこと。山腹という地形から、絨毯のような全景を眺めたり、下から見上げたりと、場所ごとに違う表情が楽しめるのも魅力の一つです。特に山頂南側は佐賀平野はもちろん晴天時には雲仙までの絶景が付いてくるとあって、写真撮影は外せません。そしてふと香る、なんともいえない上品な香り。天然のアロマテラピーにも心地よく癒されるのです。

淡い白とピンクのコントラストも一興。花盛りならではの風景も楽しんで。

この全景が圧巻。梅林の中を歩いて見渡せば、趣は一変するでしょう。

梅の開花がピークを迎えると、毎年恒例の「牛尾梅まつり」が開催されます。地元の梅生産者を中心としたアットホームな雰囲気が味わいどころ。音楽ライブやビンゴ大会、カラオケ大会などの催しが2日間開催され、22回目を迎える今年は「牛尾観梅ロードレース」と地元の農産物や特産品を販売する「梅まつりマルシェ」を初開催。牛尾神社境内や神社下の河川敷特設会場には出店も並びます。牛尾梅林で栽培された果実の梅干しや紅梅漬け、梅エキスなどの加工品も揃うので、お土産にぜひどうぞ。昨年は約4500人の観光客が訪れ、それぞれの思い出も持ち帰りました。イベントを逃しても、花の表情は変化していくので、人が少ない平日にゆっくり巡るリピーターになるのもおすすめですよ。

◆第22回 小城市三里 牛尾梅まつり
日時:3月3日(土)・4日(日)9時〜16時
場所:小城町三里・牛尾神社境内、神社下河川敷特設会場
※小雨決行・雨天中止
※4日は9時半より豊作祈願祭(神社神殿にて)
問合せ:TEL 0952-63-8820(農林水産課 農政企画係)
チラシはこちら(PDFファイル、515KB)
■DATA
◎梅の見ごろ:2月中旬〜3月中旬
◎観覧無料
◎開園時間:
〇住所:小城市小城町池上4907
〇アクセス:車/長崎自動車道多久ICから車で約15分
電車/JR長崎本線牛津駅から徒歩約30分(タクシー利用で約10分)、
〇問合せ:TEL 0952-72-7423(小城市観光協会)
〇ホームページ(小城市観光協会)

*梅の見頃については、随時お問い合わせください。
伊万里梅園・藤ノ尾(伊万里市)
JR伊万里駅から北へ約5kmの市街地に位置する、西九州一の広さを誇る梅園。品種は小梅が300本、古城1500本、南高4700本の計6500本が咲き誇ります。2月25(土)・26(日)日には「伊万里梅まつり」を開催。もちつきやバンド演奏などのほか、「梅の種飛ばし大会」というユニークな催しも楽しみの一つ。大会では副賞の伊万里牛や梅加工品をゲットしよう!
〇所:伊万里市木須町
〇入園料無料
〇交通:武雄北方ICより車で国道202号経由約30分
※梅まつり期間中は無料送迎車あり
〇問合せ:JA伊万里営農畜産部 TEL0955-23-5560
伊万里市観光協会TEL 0955-23-3479
◎梅まつり詳細はこちら(PDFファイル、930KB)
鏡神社梅林(唐津市)
唐津のひな祭りとして5会場で開催される「唐津のひいな遊び 2月25日(土)〜3月11日(日)」の一環として、「古代の森の梅祭り・物産展」が開催されます。古代の森会館横の鏡神社周辺に咲く177本の梅は、しっとりと雅な佇まい。1月下旬から白の小梅が咲き始めて中梅と続き、2月下旬から3月初めにピンクの大梅がお目見えします。
〇所:唐津市鏡1826-2
〇観梅料無料
※古代の森会館展示室は大人100円
〇交通:JR東唐津駅より車で約5分
〇問合せ:鏡神社TEL0955-77-3151
古代の森会館TEL 0955-77-0510
御船が丘梅林(武雄市)
昭和17年、日中交流を目的として設立された「如蘭塾」の敷地内に梅を植えたのか御船が丘梅林の始まり。御船山東麓のゆるやかな丘陵地に悠々たる広がりを見せます。白梅を中心とする約3000本の花の眺めは圧巻。5月下旬には梅ちぎりを楽しむ毎年恒例の「うめ〜ランド」が開催され、多くの家族連れで賑わいます。
〇所:武雄市武雄町武雄5166
〇観梅料無料
〇交通:武雄北方ICより車で国道34号経由約15分
〇問合せ:武雄市観光協会TEL 0954-23-7766
昔からレクリエーション&憩いのスポットとして幅広い世代に親しまれている森林公園。嘉瀬川河川敷沿いの広大な敷地には、豊かな自然と、球場やテニスコートなどのスポーツ施設が充実しています。南駐車場から入った一画に小さな梅林があり、あまり知られていない穴場です。
〇所:佐賀市久保田町大字徳万1897
〇入園料:無料 ※スポーツ施設は有料
〇開園時間:05時〜21時
〇交通:佐賀大和ICより車で約30分
〇問合せ:森林公園管理事務所 TEL0952-25-8668
大谷観梅祭(太良町)
約200本の梅の花に囲まれながらバーベキューや竹筒酒(たかっぽざけ)などを楽しめる、アットホームなイベント。恒例の梅の種飛ばし大会は、県内外の観光客で盛り上がりを見せます。また、きね餅つきや太良町特産物の抽選会などの催しもあり、楽しみ満載です。
〇日時:2月26日(日)11:00〜14:30
〇所:太良町大字糸岐6668
〇観梅料:1,000円(小学4年生以下500円)
〇交通:JR多良駅より車で約15分
〇問合せ:0954-67-0733(田口健一氏)