
佐賀市内で開かれる「佐賀城下ひなまつり」は今年10周年を迎え、例年以上に大きなイベントが予定されています。


▲駕籠はミニチュアながら内側に源氏物語の一場面が描かれ、隅々まで丁寧に作られている。
数あるイベントの中で注目は、徴古館(ちょうこかん)で行われる「加賀前田家からの里帰り」展。佐賀藩の最後の藩主、鍋島直大(なおひろ)の長女・朗子(さえこ)様が旧加賀藩主・前田家へ嫁いだ時に持参した雛道具が展示されます。これまで展示したお雛様は、鍋島家に嫁いできた奥様方がお持ちになったもの。鍋島家が用意した雛道具の展示は、初めてです。

▲「雛道具は大名家のお嫁入り道具を模しているといわれ、当時の生活ぶりを想像できます」と話す徴古館の学芸員・野口朋子さん
学芸員の野口朋子さんは、「今回、雛道具一式と婚礼調度品をお借りすることができました。いずれも黒漆塗に鍋島家の家紋などを金蒔絵で表した格調高い品々ばかり。当時の技術の高さがわかります」と話します。戦災などで逸失しているところが多い中、ある程度まとまった数の雛道具が揃っているのは珍しいこと。また一堂に展示されることも少なく、必見です。
■DATA
「加賀前田家からの里帰り」展
期間:2月20日(土)〜3月28日(日)10時〜17時
会場:徴古館(佐賀市松原2-5-22)
問合せ:徴古館 TEL0952-23-4200
※鍋島家の雛祭り展は3月31日(水)まで。


▲お菓子で雛人形を表現した「お菓子のひなまつり」(旧古賀銀行にて)
シュガーロードでおなじみのように、佐賀は銘菓の産地。期間中、お菓子で作ったお雛様が旧古賀銀行で展示されます。会場では菓子の名店が当番で丸ぼうろづくりを実演し、焼きたての丸ぼうろをふるまうとか。食べ比べもまた楽しそうです。

▲佐賀では昔からおなじみの「シシリアンライス」も味わってみて。
市内の飲食店やホテルでは「ひなご膳」の特別メニューを提供。優雅な雰囲気の中で味わう料理は例年人気を呼んでいます。「軽い食事を」という方には、昨年、初開催された九州のご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」で見事、準グランプリに輝いた「
シシリアンライス」がオススメ。こちらも市内各店で味わうことができます。
■DATA
「お菓子のひなまつり」
期間:2月20日(土)〜3月31日(水)10時〜17時
会場:旧古賀銀行
問合せ:佐賀市歴史民俗館 TEL0952-22-6849


▲数千個の灯明が佐賀の街を幻想的に彩る(イメージ)。
今年は雛人形を観賞するだけでなく、参加型イベントも豊富。
艶やかな十二単をまとった人たちが街を練り歩く「雅パレード」は今年初めて行われ、着物姿での一般参加者を募集中です。
また、夜には数千個の灯明が市内の町並みを幻想的に彩る「夜びな灯明町あそび」のほか、バーをはしごする「お城下カクテル★NIGHT」や「恵比須・化け猫・河童伝説 お城下ナイトウォークツアー」なども。朝から夜まで楽しみいっぱいのひなまつりとなっています。
■DATA
●「夜びな灯明町あそび」
期日:2月28日(日)18時〜21時 ※雨天順延
会場:佐賀市柳町、呉服元町、松原川
●「雅パレード」
期日:3月7日(日)13時〜16時
会場:ひなまつり会場界隈
●「お城下カクテル★NIGHT」
期日:3月13日(土)※時間は各店で異なります
会場:市内のバー13軒
●「恵比須・化け猫・河童伝説 お城下ナイトウォークツアー」
期日:3月19日(金)〜31日(水)
18時30分〜19時30分 (18時〜受付)
問合せ:佐賀観光協会 TEL0952-20-2200

有田焼の産地として全国に知られる有田町。ここでは町の特徴を生かし、焼き物を中心にしたひなまつりが開催されます。


▲しっとりとした地肌の色が特徴の有田泉山の陶石を使用した柿右衛門窯。
日本で初めて色絵磁器を製作した有田町の柿右衛門窯。その柿右衛門窯に影響を受けたドイツの国立マイセン磁器製作所。そして、1950年代初めに創業し、モダンな作風で磁器のトップブランドに成長したスペインのリヤドロ。今年のひなまつりは、この3つの名窯が己れの技術を駆使して製作した雛人形が有田館に一堂に顔を揃えます。

▲柿右衛門が江戸時代から使用している図柄「梅うずら」などを描いたマイセンの雛人形。
柿右衛門窯は人形の衣服の裏側まで細かく文様を描き、その繊細さはため息が出るほど。
マイセンの人形には、江戸時代から柿右衛門様式に使用されている図柄「梅うずら」などが描かれ、柿右衛門をお手本に絵付のデザインを模索した開窯当初の影響が見て取れます。
また、リヤドロの雛人形が今年初登場。どんなお雛様が到着するのか、楽しみです。それぞれに趣があり、どれが一番とは言い難いもの。ぜひ見比べてみてください。

▲スペイン・リヤドロは今年初登場。東洋の人形がどのように仕上がっているか、注目される。
■DATA
「柿右衛門、マイセン、リヤドロのひな人形展示」
期間:2月11日(木・祝)〜3月22日(月・祝)9時〜17時
会場:有田館(西松浦郡有田町幸平1-1-1)
問合せ:有田館 TEL0955-41-1300


▲外観は洋風だが、中は和洋折衷の有田異人館。期間中の金土日のみ特別公開
期間中、町の飲食店(19カ所)は「ひなまつり特別メニュー」を用意しています。
カフェメニューなら、佐賀県重要文化財「有田異人館」へ。ここでは「有田町づくり女性懇話会」の皆さんが地元の食材を使ったスイーツとコーヒーを提供します。女性懇話会の会長・西山美穂子さんは、焼き物の町である有田らしさを出すため「磁器製の雛人形を作ろう」と言い出した張本人。

▲「器を愛でる楽しみがあり、有田の良さを実感できる」と有田町づくり女性懇話会会長・西山美穂子さん
「そんなことできるわけない!」と反対意見の多い中、佐賀県窯業技術センターに相談。センターと窯元数社で組織されるノベルティ研究会の手によって1年がかりで磁器製のひな人形が完成し、それがきっかけでこのまつりが始まりました。
「有田に人を呼びたい」という西山さんたち女性陣のパワーはその後、料理やおもてなしに発揮されるようになり、今年は特別に一般開放される建物の中で地元の野菜などを使ったスイーツを作り出します。
■DATA
「異人館」での珈琲タイム
期間:2月11日(木・祝)〜3月22日(月・祝)の金・土・日曜・祝日
10時〜16時
会場:有田異人館(西松浦郡有田町幸平1-2-6)
問合せ:有田町づくり女性懇話会 TEL090-5924-1628


▲トンバイ通りの商店で販売中の「山王祭(さんのんさん)」磁器製ストラップ1個600円。
町内の窯元や商店では、磁器製ひな人形7段飾りや世界最大の立ちびな、家々に伝わるひな人形などを展示しています。期間中、イベントの中心となる12カ所の会場を巡るスタンプラリーが実施され、5ヶ所のスタンプを集めて応募すると、抽選で有田焼グッズがプレゼントされます。
また、恋活中の人には恋愛成就祈願もオススメ。町内の山王神社に祀られた女猿と、岩天神に祀られた男猿を12年に1度の申年に会わせる山王祭にちなみ、恋愛成就を願う絵馬を用意しました。また2個合わせると手をつなぐ磁器製のストラップも販売しています。お土産にぴったりですよ!