

▲造り、前菜、蒸し麺、デザートなどが並ぶ「味膳古雅味」の「めん懐石」。見た目が美しくヘルシー。
午前中はツアー客が多い九年庵。見学するなら、比較的人の少ない平日の午後が狙い目です。そこで、まずは腹ごしらえといきましょう。
神埼市といえば神埼そうめんの生産地。また神埼市は割烹料理店の多いエリアでもあります。その腕自慢の主人たちがさまざまな麺を使って「神埼めん懐石」を作り出しました。
今回お邪魔したのは、「味膳 古雅味(こがみ)」さん。長崎街道近くの住宅街の一角にあり、大人の隠れ家の雰囲気を呈しています。

▲豚肉、錦糸卵に下に隠れているのは赤い平麺。蒸した後、タレにつけて食べる。
運ばれてきた料理は、三色そばをお刺身で巻いたお造り、天ぷらや田楽などを盛った前菜、衣に麺をつけて揚げたコロッケ、にゅう麺、蒸し麺などすべて麺を使ったもの。しかし、どれも麺と感じられず、上品な味付け。見事な懐石料理に生まれ変わっていました。
神埼市内8店舗、それぞれにこだわった懐石料理を出していますから、食べ比べてみるのも楽しいものです。


▲山林や別荘を含め総面積2万8000平方メートル。モミジとツツジなどの樹木、そして苔の見事なバランスが庭園美を演出する。
九年庵へは、臨時駐車場の吉野ヶ里テクノパークからシャトルバス(約5分、無料)で向かいましょう。仁比山(にいやま)公園の本部で整理券を受け取って徒歩約5分の九年庵へ。
九年庵は佐賀の実業家・伊丹弥太郎氏の別邸で、6800平方メートルの庭園を有します。もともと茶室があったらしく、これを含む大庭園を造るのに9年かかったことから「九年庵」と呼ばれ、9日間限定で一般公開されています。

▲紅葉も気象条件次第。今年はこんな燃えるような景色が見られるかな?
この庭園の美しさは、紅色に輝くモミジと、しっとりとした質感を放つ深緑の苔のコントラストにつきます。また、130本を超えるモミジは橙から朱、紅とさまざまな赤が混じり、見事なグラデーション。人の手による庭と自然が生み出す美の融合には、ただため息が出るばかりです。


▲山里に佇む仁比山神社。普段はひっそりしている境内もこの時期は露店が出て賑わう
九年庵の向かい側にある「仁比山神社」も紅葉の美しいところ。参道を覆うようにモミジが茂り、澄んだ空気があたりを包みこみます。九年庵の一般公開期間中は露店が並び、普段と違って賑やかな雰囲気も。境内には酒の神様・松尾神社と比叡山日吉山王社があり、本殿裏に回れば金剛水も湧き出ています。
昔、この一帯には三十六坊があったのだとか。今その面影はなく、神社と隣接する「仁比山地蔵院」だけが残っています。ここは天台密教の寺院で、江戸時代には佐賀藩お抱えの祈願寺とされました。今は一般に開放され、受験生や病を抱えた人たちが祈願に訪れています。今年は11月15日(日)の10時と13時30分の2回、境内で僧侶によってうたわれる声明(しょうみょう)の公演が予定されています。

新築されて綺麗になった地蔵院。本道に入ってお参りもできる。また本堂前に掲げられた祈願念珠は1つだけ願いを叶えてくれるとか。


▲昭和時代の懐かしさを感じさせる「おしとり」の店内。
地蔵院から仁比山公園まで戻ったら、城原川沿いの遊歩道を10分ほど歩いて「梅の花 佐賀神埼村」へ。ここには古民家レストラン採れたて野菜のバイキング「ほたる」や、ゆば・とうふ工房「おしとり」、福岡市から移転したパン工房「ざびえるのぱん」が並んでいます。

▲「おしとり」では明るいスタッフが笑顔でおもてなし。
直売所も兼ねた「おしとり」の店内には、自家製豆腐やできたての湯葉、レストランで人気の「もっちり杏仁フルーツ」、豆乳を加えてフワッとした食感に仕上がった食パンなど、土産に最適な商品がズラリ。
あれもこれもと、いつの間にやら手にいっぱいの土産が…。
九年庵一般公開期間中、陶器市などのミニイベントやふるまいを実施する予定だとか。「ほたる」では朝食バイキングや弁当の販売も行うそうです。
■DATA
梅の花 佐賀神埼村
住所:神埼市神埼町城原3582
●ゆば・とうふ工房「おしとり」
TEL:0952-53-4114
営業時間:9時〜18時
●採れたて野菜のバイキング「ほたる」
TEL:0952-55-8123
営業時間:朝9時〜10時30分、昼11時〜16時(土・日曜・祝日は18時まで)


▲洗い場や脱衣所が広くて清潔。

▲館内はバリアフリーで、和室や洋室がある。
遊歩道を通って仁比山公園へ戻ったら、温泉ですっきりしましょう。
公園横にある佐賀健康保養センター(旧国民年金保養センター)は今年5月にリニューアルオープンした施設。「浴場前の会議室を無料休憩室に模様替えして利用しやすくなりました。レストランもメニューが増えておすすめですよ!」と、田中達見支配人は話します。
泉質は単純弱放射能冷鉱泉。通称ラドン温泉と呼ばれ、痛風や高血圧症などによいといわれます。それに、お湯から出た後もポカポカとして冷えにくいとか。夕暮れが早まるこれからの季節にはぴったりです。
■DATA
佐賀健康保養センターかんざき
住所:神埼市神埼町城原3702-014
TEL:0952-53-1188
日帰り入浴:10時〜20時受付
入浴料金:大人500円・3歳〜小学生300円
宿泊料金:1泊2食平日8200円〜