

九州の小京都といわれる小城。天山山系の水を集める清流・祇園川はホタルの名所。
佐賀県小城市といえば「名水百選」に選ばれた水郷の地。町を南北に流れる祇園川は初夏にホタルが乱舞し、大勢の観光客をひきつけます。名水に育まれるように、お酒や羊羹作りも発達しましたが、今回注目したのは小城の“ラムネ屋さん”。明治35年、1本のラムネ製造から始まって106年。今では約50種の清涼飲料を手がける『友桝(ともます)飲料』です。
実はここ、知る人ぞ知る飲料メーカー。口コミで全国にファンが広がり、大ヒット商品となった「こどもびいる」を製造している会社なのです。サイダー全盛期だった昭和の味を、当時の製法のまま復活させた「スワンサイダー」も評判は上々。全国の特産品がしのぎを削る有名ギフトカタログでトップページを飾ったほどです。

「こどもびいる」はビールのような泡立ちの炭酸ジュース。ギフトやお土産としても人気。

明治35年創業の友桝飲料。工場とショウルームが小城市牛津町にあり、見学も可能。


九州各県の特色を生かした地サイダー。地域と友桝飲料との共同開発商品です。
しかし友桝飲料が手がけるのは、自社ブランドだけではありません。いろいろな地域と協力して、“ご当地サイダー”作りも行っているのです。今まで共同開発したのは、長崎・雲仙、鹿児島・指宿、宮崎・日向、大分・湯布院、沖縄・伊江島などの地サイダー。サイダーの主な材料は水と砂糖、炭酸ですが、ここに各地の特産品である天然水や果実を用いるそうです。
「通常のドリンク作りでは、上水をろ過した真水を使います。無味無臭の真水により、味が均一になるからです」と友桝飲料の若社長、友田諭さん。ところが地サイダーでは「地域の特色を出すために、その土地に湧く天然水を使用することもあります」。天然水ゆえに、水の成分や味わいに 独特の“クセ”がありますが、「水のクセをどう生かすかが、地サイダー作りの挑戦であり冒険なのです」。
友桝飲料 社長
友田諭さん
友桝飲料の友田諭さん。2002年に4代目の社長に就任。生まれも育ちも小城市牛津町。


「103サイダー」はロゴデザインがクール!おしゃれに楽しみたい若者がターゲット。
こうした新しい取組みのなか、昨年発売されたのが「103(テンザン)サイダー」。佐賀の銘酒「天山」で知られる小城の天山酒造の“仕込み水”と、唐津市相知町のスダチ果汁を使用した、まさに佐賀の地サイダーです。硬度の高い天山山系の水がスダチの苦味に見事にマッチして、のどごしドライで味わいスッキリ!「当社の地サイダーの中でも一番おいしいと評判です」と友田さん。
近年、地サイダーは多くのメディアに取り上げられ、首都圏の百貨店・スーパーでも売り場を確保し、ファンを全国に広げています。「地域と協力した商品作りに、これからも積極的に取り組んでいきたい」。佐賀の豊かな水をめぐる挑戦はこれからも続きます。


スワンサイダー(復刻版)
人口甘味料は使わず、上質の砂糖のみを使用する昔ながらの製法。レトロなラベルも人気。

湯あがりサイダー(右)&
スワンミニ(左)
クイッと飲みきるミニサイズも(95ミリリットル)。有名な温泉地のある佐賀。湯上りにぴったり!

謹製サイダア(清酒風)
米どころ佐賀の清酒にちなんでできた大人のサイダー。和紙のラベルも上質です。

BABOO(バブー)
かわいい炭酸フルーツ飲料。姉妹品として、小さな子も楽しめる100%果汁ジュースもあります。

フルーラ
バーカウンターで飲みたいお洒落なグルメソーダ。マンゴー・ライチ・ラフランスの3種。
友桝飲料
レトロなショウルーム(月〜金曜オープン)には昭和の「ラムネ充填機」も!商品の直販もOK。できたての味が楽しめるかも。
佐賀県小城市牛津町牛津834
TEL0952-66-0062
ホームページ http://www.tomomasu.co.jp/
過去の特集記事
・美しき「水」に出会う 佐賀の名水めぐり

佐賀の湧水&水汲みスポットをご紹介。ココイコ「佐賀の名水めぐり」第一弾もチェックして!
江里山の甘露水(小城町)
日本の棚田百選の一つ、小城の江里山地区。子宝・安産祈願で有名な江里山観音の近くに岩清水が湧いている。名前に違わず、まろやかな味わい。
佐用姫伝説にちなんで名づけられた、天山を水源とする水汲み場(車1台につき1回40リットルまで)。厳木ダムのスポーツ公園内にあり、レジャーも楽しみたい。
道の駅吉野ヶ里(吉野ヶ里町)
道の駅吉野ヶ里「さざんか千坊館」に水汲み場がある。東脊振トンネルから湧き出る、おいしい天然水が味わえるとか。
仁比山神社に「金剛水」と親しまれるご神水が湧いている。近隣の「湯葉・豆腐工房 おしとり」前でも地下水を汲むことができる。
おちゃっさんの水(富士町)
農産物直売所「みはらしの丘 ダムの駅 鷹の羽」近く。西畑瀬地区の住民が大切に管理している。弘法大師をまつる“おちゃっさん”や滝も近くにあり、涼感たっ
ぷり。美化清掃金の募金に協力を。
熊の川温泉 吉瑞泉(富士町)
熊の川温泉の日帰り温泉施設・湯招花にある温泉スタンド(10リットル100円)。泉質の良さが評判。国道沿いにある利便性もうれしい。
鳥羽院の名水(神埼市脊振町)
脊振の静かな山間に湧く、知る人ぞ知る名水。宿泊もできる社会教育施設、鳥羽院山荘はかつて脊振小の分校で、湧水は給食作りにも利用されていたとか。
勇猛寺の霊水(武雄市北方町)
毎年、霊水供養を行うお寺に、「理知の水」と呼ばれる湧水が。お参りをしてから取水を(一人40リットルまで)。北方町商工会のブログでも紹介中。
(問)勇猛寺0954-36-3480
沼川湧水(鳥栖市)
水遊び場としても人気の高い御手洗の滝。そのキャンプ場の駐車場付近から岩清水が湧いていて、県内外の人に人気とか。
前回の名水特集でも紹介した安福寺(通称・水堂さん)。今年の出水法要は5月19日〜8月15日。期間限定の縁起の良い水を汲みに行こう。
水汲み時は周辺環境を損ねないよう、取水制限や駐車マナーなどをきちんと守りましょう。また、自然のままの水を生活等に利用する場合は自己責任が求められます。一度沸騰させてから飲用するなど、衛生面へ充分ご配慮ください。