
佐賀藩の豊かな歴史と文化を映す「佐賀城下ひなまつり」。そこでひときわ注目されるのが「鍋島小紋」のひな人形です。美の伝統を今に語り継ぐ人形作家・福岡伊佐美さんにインタビューしました。

胡麻の殻の断面を図案化した型紙で、絹に染付け。同じ生地でも文様の色によって全然違う表情に仕上がります。その配色が福岡さんが最もこだわる部分。
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江戸の文様がよみがえる
かつて江戸城に登城する大名の「裃(かみしも)」は、藩ごとに独自の文様を染めていたそうです。佐賀藩の鍋島家が着用した裃の文様は「胡麻(ごま)柄」。明治維新後、長くすたれてきたこの小紋を人形の衣装に取り入れたのが福岡伊佐美さんです。
小さい頃から人形に囲まれて育ち、ひなまつりの時期になると、お母様が京都であつらえてくださった段飾りを愛でた福岡さん。中学生になると自然に人形を手作りするようになり、「佐賀ならではの人形を作りたい」という思いも日に日に募っていきました。そんな時に出会ったのが「鍋島小紋」でした。
「忘れられた柄を人形に着せて、後世に残していきたい」。そんな想いから人形の衣装に取り入れました。淡く落ち着いた色合いに再現された鍋島小紋は、優美な雰囲気を醸し出し、見る人を魅了してやみません。

毎年変わる展示レイアウトもお楽しみ
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様々な想いが佐賀を彩る
「佐賀城下ひなまつり」では毎年、旧古賀家に福岡さんとその生徒たちの人形が並びます。鍋島小紋は絹が薄く、人形に張り合わせる作業が非常に難しいとか。ですから、鍋島小紋の人形を作ることができるのは、技術がしっかりできた生徒のみ。しかも、一つとして同じ人形ができないように、生徒が作る一体一体の配色にも、福岡さんは目を配ります。
そして、会場作りにもこだわりが。「毎年来てくださるファンの方に、違うものをお見せしたい」と、毎年テーマを決めて、ストーリーを展開させ、長年かけてコレクションした人形道具を添えて、レイアウトするのです。今年のテーマは「円(えん)のオブジェ」。人形から広がったご縁にかけて、コロシアムのような展示風景をイメージされています。
古き良き文化への憧憬、人形作りの情熱、ひなの思い出…様々な想いから誕生した、福岡さんの人形世界。美しきひなが時代を超えて、今年も佐賀の春を彩ります。
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人形作家 福岡伊佐美さん
地元佐賀で人形制作を続け、また人形を愛する多くの人にその技術を指導 。1990年から自宅アトリエを開放してひなまつり展を11年連続開催。2001年から「佐賀城下ひなまつり」で毎年展示。著書「鍋島小紋の人形たち」(佐賀新聞社刊)。 |
特集1 人形作家インタビュー
特集2 佐賀城下ひなまつり
特集3 有田雛のやきものまつり

ひな巡りイベントは九州各地に数あれど、「佐賀の展示数の多さと質の高さは九州随一!」と胸を張るココイコライター。その魅力を支えるのは、江戸時代に三十六万石を誇った佐賀藩の豊かな歴史です。本物のお姫さまがいた城下町だから、美しく由緒正しいひな文化が花開いたのです。
また、歴史ある建物を生かした会場にも注目。それぞれの会場で展示に趣向が凝らされているので、どこに行っても新鮮な驚きがあるはず。旧長崎街道やアーケード商店街、佐嘉・松原神社と、旧城下町をゆっくり散策するのもいいですね。昔ながらのお店のショーケースにもひな人形が飾られ、心がほっこり和みます。さらに、ボランティアガイドの皆さんの温かいおもてなしにも感激!
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佐賀市観光・文化課 副島万記子さん
すべての会場を見て歩いて2時間30分ほど。散策コースにぴったりですよ。街中を歩くと、えびす像がたくさんあったり、松原川にカッパ(像)がいたり。城下町を再認識するような見どころがいっぱい!きっと佐賀が大好きになっていただけるはずです。 |
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佐賀城下ひなまつり
 
会期 2月18日(土)〜3月31日(金)
主な会場 徴古館、佐賀市歴史民俗館(旧古賀銀行・旧古賀家・旧三省銀行・旧福田家)
開館時間 9時〜17時(徴古館は10時開館)
交通 (車)長崎自動車道・佐賀大和ICから車で20分
(JR・高速バス)JR佐賀駅下車、佐賀駅バスセンターからバスで約10分
問合せ 佐賀市観光・文化課0952-40-7110
※期間中は、観光ボランティアの申し込みも受け付けています。
佐賀城下ひなまつり(佐賀市ホームページ) |

皇室ゆかりのおひなさま
徴古館(ちょうこかん)
皇室にもゆかりの深い大名家だった佐賀藩鍋島家の資料館で、歴代夫人が愛用した人形やお道具を一挙公開。今回は「葵御紋付御所(あおいごもんつきごしょ)人形」や、紀宮さまのご結婚の際にも注目された「ボンボニエール」(皇室の慶事に贈られる小箱)などもお目見え。

ボンボニエール
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葵御紋付御所人形
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次郎左衛門雛
鍋島家11代当主夫妻の所用品。丸顔に引目・鈎鼻風のお顔つきは、京都の人形師の雛屋次郎左衛門が創始。公家や大名家に愛されたとか。
有職雛(ゆうそくびな)
公家の装束を正しく考証した格調高い雛人形。第13代当主の紀久子夫人がお嫁入り道具として天皇家から持参したおひなさまです。
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ノスタルジックな洋館に「色鍋島」
旧古賀銀行
ひな巡りのスタート地点または休憩ポイントにぴったり。大正ロマンの雰囲気が漂い、カフェ「浪漫座」もある旧古賀銀行に、佐賀藩の御用赤絵師だった今右衛門のやきもの「色鍋島」が展示されます。さらに旧家のひな人形や和紙のおひなさまも。
古今雛(ここんびな)
佐賀藩の支藩にあたる小城鍋島家の、江戸後期のひな人形。京風の顔立ちに豪華な冠、刺繍の施された衣装など、気品と風格がたっぷり!

愛らしい春色のひなにうっとり
旧古賀家
明治時代の実業家のお屋敷に、人形作家・福岡伊佐美さんによる鍋島小紋のひな人形を展示。50畳もの大広間に100体以上の愛らしい人形が並ぶ様は壮観です。
期間中はお茶席(菓子付300円)も用意され、琴の演奏も行われますよ。
鍋島小紋のおひなさま
佐賀藩オリジナルの紋様「鍋島小紋」の衣装に注目!どれ一つとして同じものはない、衣装の配色の美しさにほれぼれ。

絢爛豪華!手織り衣装のあでやかさ
旧福田家
手織りの佐賀錦もまた、大名家にゆかりの深い伝統工芸品。普段は和装のバッグや草履などに使われますが、ここではぜいたくにもひな人形の衣装に採用!佐賀錦製品の販売や、製作実演も。会場は大正期に建てられた旧福田家です。
佐賀錦のおひなさま
佐賀錦とは、金・銀・漆を貼った和紙を細かく裁断して縦糸に、絹のより糸を染色して横糸に使った織物。豪華な中にも気品や優美さがたっぷり!

カラダもよろこぶ創作ひなレシピ
玄米食おひさま
古賀銀行の社屋だった「旧中村家」を活用した自然食レストラン。添加物を一切使わず、食材本来の味わいを生かした創作レシピが人気です。ひな会席3000円〜やカフェを楽しんで。
(問)0952-28-7883
(営)ひなまつり期間中は昼・11時〜15時、夕・17時〜19時(夕食のみ要予約・カフェは11時〜19時)
(休)ひなまつり期間中は無休
(所)佐賀市歴史民俗館そば
玄米食おひさまホームページ
 

旧三省銀行
蔵造りの白壁が美しい建物で、幕府や大名家への献上品だった「鍋島緞通」と創作ひなを展示・販売。
旧牛島家
佐賀城下に残る最古の町家建築とされるもので、佐賀を代表する物産を販売。ゆっくりくつろげるお休み処も。
恵比須ギャラリー
大正期に建てられた銀行跡を改装したギャラリーで、色とりどりのひな菓子を展示・販売。
柳町観光案内所
ひなまつり期間中の情報拠点。観光ボランティアもいるので、「ひな料理はどこで食べられるの?」など、おたずねはお任せあれ!

JR九州早春ウォーキング
2月19日(日)8時30分〜11時にJR佐賀駅受付
(問)JR佐賀駅0952-24-4029
佐賀城下春の骨董市
3月3日(金)〜5日(日)10時〜17時、松原神社境内
(問)佐賀市商工振興課0952-40-7100
灯篭流し雛
3月4日(土)、5日(日)18時30分〜、松原川
灯篭代:200円
「二人の会」濱 けい子の語りの世界
3月26日(日)(1)15時〜願正寺(2)19時〜旧古賀銀行
(問)佐賀市歴史民俗館0952-22-6849
※イベントの内容は都合により変更、中止になる場合があります。
特集1 人形作家インタビュー
特集2 佐賀城下ひなまつり
特集3 有田雛のやきものまつり


かつてヨーロッパの貴族を魅了した有田焼。5月の陶器市には全国からファンが訪れます。そして昨年からは「有田雛(ひいな)のやきものまつり」が始まりました。伝統文化の交流プラザ「有田館」をメイン会場に、目抜き通り近辺の窯元や商家、食事処も協力。町をあげて盛り上がる、有田の新名物イベントなのです。

軒先のボンボリが会場(参加店)の目印
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「日本全国至るところにひなまつりイベントはありますが、やきものにこだわったひなまつりはどこを探してもありませんよ!」とは、有田館スタッフの舘林可奈さん。
磁器製のひな人形や犬筥(いぬばこ)、お食い初めの食器などが登場し、確かにオリジナリティたっぷり!旧家の多い町だから、代々受け継がれる珍しいひな人形の展示にも期待して。
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有田館・舘林可奈さん
私がおすすめする楽しみ方は、通りを散策してお店に入っていただくこと。ほとんどのお店でイベントマスコットの「犬筥」が展示されます。形は同じでも、絵付けは各店オリジナル。お気に入りを探してお店を回ってみては?もちろん有田館にも来てくださいネ! |
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有田雛のやきものまつり
 
会期 2月4日(土)〜4月3日(月)
主な会場 有田町内の各商店・有田館(メイン会場)
開催時間 おおむね9時〜17時
交通 (車)西九州自動車道・波佐見有田ICから車で5分
(JR)佐賀市から特急で約40分
問合せ 有田町商工観光課0955-43-5068
有田町ホームページ
べんじゃら祭り実行委員会事務局(有田商工会議所内)0955-42-4111 |

圧巻です!磁器のひな人形
有田館
 メイン会場の「有田館」に、磁器でできたひな人形7段飾りが展示されます。鏡台や御所車などのお道具まで30数アイテムがすべて磁器製で、見事な出来ばえ!しかも今年は予約販売も。2階カフェでは有田・景徳鎮・マイセンのカップでコーヒーをどうぞ。
世界最大の磁器ひな
今回初お目見えにして、一番の目玉が、高さ約50センチという世界最大の磁器ひな人形(立ちびなと座りびなの2種類展示)。繊細な絵付けが施され、見ごたえも十分。細かい絵付けまでじっくりご覧ください。

イベントマスコットは「犬筥」に決定!
各商店
 雛飾りのアイテムの一つである「犬筥(いぬばこ)」は、安産のお守りや幼児の魔よけとして産室に置かれていました。その犬筥を磁器で製作し、各商店独自の絵付けを施して展示。携帯ストラップやキーホルダーなどの関連グッズの販売も。

「お食い初め」のプレゼントにいかが?
有田館
一生食べ物に困りませんようにと祈りを込めて、生後100日目に行う「お食い初め」行事。そのスタイルを踏まえて、町内の女性メンバーと窯元が子供用食器を共同開発。使いやすくて、成人になるまで末永く使用できます。予約販売もOKです。

イベントも盛りだくさんです!
各商店街

昨年の展示風景
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有田町内にある7つほどの商店会で、2月25日(土)〜3月5日(日)を中心に、多彩なイベントが開催されます。例えば、トンバイ塀通りの観光案内所では、「いろうしゃん餅」などの特産品を販売。「高校生によるショーウィンドウディスプレイコンテスト」(2月12日〜4月3日)、「皿かぶり競争」(3月5日13時〜)、「甘酒のふるまい」(2月26日と3月4日、いずれも10時〜)も行われます。詳しくは有田町役場のホームページでチェックを。

観光ガイドの”うんちく”に期待
町並み散策
今、有田の町並み散策が人気です。地元の観光ガイドとともに、有田のひな巡りをしませんか?
観光ガイドのお問い合せはNPO法人有田町どっとこむ0955-41-1517

有田の町家で郷土料理と器を楽しんで
小路庵(しゅうじあん)
期間中は、有田名物ごどうふを盛り込んだ「雛御膳」が町内8カ所の食事処で楽しめます。「小路庵」では窯元の奥さんら地元の女性グループが、重要伝統的建造物の町屋で郷土料理をおもてなし。アナゴ入りの蒸し寿司と鯛ごまは絶品!「雛御膳」は1,500円です。
(問)上幸平観光案内所090-5924-1628
(営)イベント開催中の土・日曜(11時30分〜15時頃)のみオープン(事前に電話で予約を。平日の営業も月曜以外は相談可能です)
(所)トンバイ塀通り(上幸平地区)
  
そのほか新松、本陣、亀井鮨、宝来軒、保名、レストランまるいし、呉葉鮨でも「雛御膳」が楽しめます。
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