※この情報は2010年8月時点のものです。
佐賀県西部にある湯のまち・嬉野の名物といえば、数百年の歴史をもつ「うれしの茶」。霧深い山々に囲まれた盆地はお茶栽培に適していて、全国有数の生産量を誇っています。そのうれしの茶の発展に、幕末に生きた一人の女性が大きく貢献したことをご存じですか?彼女の名前は「大浦慶(おおうらけい)」。うれしの茶の輸出で財を成した長崎商人であり、坂本龍馬ら幕末の志士たちと深い親交があったことでも知られています。
その大浦慶と坂本龍馬に着目して、嬉野市では『嬉野茶伝』という観光キャンペーンを展開中です。19の旅館や商店が参加して、龍馬に関連させたユニークな企画や商品販売に取り組んでいるのです。折りしもNHK大河『龍馬伝』は7月から長崎編に突入。大浦慶も登場し、よりドラマチックに展開します。龍馬伝をたどる長崎の旅に、嬉野も欠かせない立ち寄りスポットとなりそうですね。
そこで、『嬉野茶伝』を楽しむためにココイコ記者もさっそく嬉野へ向かいました。長崎自動車道を通って、佐賀・大和ICから嬉野ICまで約30分。途中のサービスエリアでは記念撮影用の“龍馬ボード”が設けられています(県内では金立SA・多久西PA・川登SAに設置中)。さらに嬉野ICをおりると、大きな『嬉野茶伝』の看板が迎えてくれます。ドライブ中からも龍馬ムードが少しずつ盛り上がってくるようです。
最初に向かったのは、今年の春オープンして話題の「シーボルトの湯」にほど近い「嬉野交流センター」。普段は観光や物産案内をするここで、『大浦慶展』が開催中です。大浦慶は文政11(1828)年、長崎の商家に生まれ、26歳で日本茶の輸出を計画。嬉野を中心に九州一円からお茶を集め、アメリカ・イギリスなどに送り出し、巨万の富を得ました。その陰で、坂本龍馬や大隈重信、松方正義、陸奥宗光ら幕末の志士たちに活動資金を提供。「大浦慶がいなかったら明治維新はなかった」と言う人もいるほどです。
「今日のうれしの茶があるのは、お慶さんのおかげ」と話すのは、展覧会を主催する嬉野市観光商工課の織田理さんです。大浦慶は女性であり商人だったということで、当時は表舞台に出てこない存在。そんな大浦慶に光を当てるため、長崎市にいる慶の子孫に肖像写真や明治政府からの感謝状など貴重な資料を借りてきて展示しました。「地元の人に郷土の歴史を知ってもらいつつ、観光振興にもつなげたい。龍馬も堪能したであろううれしの茶と温泉をぜひ楽しんでほしいですね」。
大浦慶について敬愛の念をもって語る人がもう一人。国道34号沿いにあるお茶のショップ兼工場「お茶ちゃ村」の社長、三根俊一さんです。なんと工場のなかに大浦慶のミニコーナーを作り、工場見学と同時に鑑賞できるようにしたのです。龍馬らが出入りしたと考えられる大浦慶の邸宅の写真や、めずらしい龍馬最後の写真もあります。研究熱心な三根さんに運良く出会えれば、歴史うんちくたっぷりのギャラリートークが聞けますよ。
『嬉野茶伝』のために嬉野の19の旅館と商店が知恵をしぼり、龍馬に関連するオリジナル企画や商品を用意しました。『嬉野茶伝』のリーフレットを片手にまち歩きを楽しみながら、龍馬探しに出かけましょう。 まずは創業約50年の老舗スイーツ店「嬉野風月堂」へ。特産の釜炒り茶(かまいりちゃ)を使った「龍馬の釜炒茶ロール」が大好評です。ご主人によると、曾祖父が大浦慶と龍馬の社中にお茶を納入していたとか!歴史のつながりに思いをはせながら、香ばしい釜炒り茶スイーツを味わって。
続いては「相川(あいかわ)製茶舗」へ。「うれしの釜炒り茶 龍馬の時代」を販売しています。「釜炒り茶は昔ながらの香ばしいお茶。きっと龍馬も、こんなお茶を飲んでいたのだろうと想像を膨らませて考案しました」と相川源太郎さん。ここは和カフェのスペースがあり、オリジナルの嬉野紅茶や紅茶ショコラなども話題に。センスのいい女性向けのお土産を探すなら、ここがおすすめですよ。
龍馬マニア必見のおもしろ企画といえば「肥前夢街道」。坂本龍馬の扮装写真館と資料館がありますよ。写真館の衣装は龍馬の家紋入りで、刀や鉄砲といった小道具や、日本の夜明けをイメージさせる背景もあり、かなり本格的です。洋服を着たまま衣装をつけるので、撮影から現像まであっという間!仲間内で盛り上がること間違いなしです。
ほかにも龍馬にあやかった宿泊プランやお料理、お酒などがたっぷり用意されていますよ。詳細はこちらのリーフレット(PDFファイル、4.1MB)(県内各所で配布中)でチェックしてくださいね。
長崎街道のおもかげを残し、まち歩きスポットとしても人気の高い佐賀市歴史民俗館エリアに今年6月、「肥前通仙亭(ひぜんつうせんてい)」がオープン。佐賀が生んだ煎茶道の祖、売茶翁(ばいさおう)の情報発信を行っています。伝統的地場産品の展示販売もあるので、ぜひお出かけを! (営)9時〜17時(月曜、祝日の翌日、年末年始休み) (所)佐賀市松原4丁目6番18号 (問)肥前通仙亭0952-97-7377
DATA「龍馬茶伝」キャンペーン 期間:平成22年12月まで(予定) 場所:嬉野温泉街にある19の旅館・商店 問合せ:嬉野市役所観光商工課 TEL0954-42-3310 ☆観光の問合せ:嬉野温泉観光協会 TEL 0954-43-0137
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