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武雄の魅力再発見「九州オルレ」武雄コースを歩く

※この情報は2013年10月時点のものです。

その土地の自然や歴史、暮らしを感じながらのんびり歩く「九州オルレ」。韓国・済州島で生まれたこのウォーキングスタイルが今、人気を呼んでいます。「九州オルレ」は現在、九州各地に8つのコースがあり、佐賀県では武雄市にコースが設けられました。実際に歩いてみると、「こんな場所、あったっけ?」と思うようなところがいっぱい。車を降りて、ゆっくり歩くからこそ見えるものがあるのです。さらに言えば、山歩きに出かけなくても、このコースで十分に“山”を味わえます。皆さんも歩いてみませんか。隠れた武雄に出会えますよ。

「九州オルレ」武雄コースとは?

「オルレ」は、できるだけ自然の中の道が選定されています。観光客が気づかない道を歩くこともあります。

 「オルレ」とは韓国・済州島の方言で「家に帰る細い道」を意味します。済州島では細い道を中心に15kmほどのウォーキング(ハイキング)コースがつくられ、「済州オルレ」として親しまれています。そこで韓国に近い九州は韓国からのお客様に喜んでいただこうと「済州オルレ」と業務協定を結び、九州の魅力的なコースを「九州オルレ」として選定しました。
 コースは「できるだけアスファルトを避ける」「テーマや物語性を感じられる」などの厳しい基準の下につくられており、武雄コースは市の担当者たちがあちこち実際に歩いてつくったものです。
 「オルレ」には案内人も開催日もなく、「カンセ」と呼ばれる標識やリボン、矢印、マップを頼りに自由に歩いていくものです。その日の体力や時間の都合により、コースの途中から歩き出しても、途中でやめてもOK。決まりはありません。

済州島の野生馬をイメージした標識「カンセ」。馬の頭が進行方向を示しています。
コース上の木や道、電柱に赤と青のリボンが結ばれています。5~10mごとに見つかりますよ。
コース上に置かれた木製の矢印。青い矢印は正方向、赤い矢印は逆方向を示します。
道路や石にも矢印がペイントされています。最初は気づきませんが、歩くうちに目に入るようになります。

山岳風景と温泉郷を歩いて楽しむ「武雄コース」

 「武雄コース」はJR武雄温泉駅を起点とした14.5km、所要時間4~5時間のコースになっています。 コース概要は、駅→武雄川→白岩運動公園(1.8km)→「貴明寺」(3.2km)→池ノ内湖→ペンション・ピクニック前(4.8km)。ここから急な坂道や険しい道を行く「山岳遊歩道」のAコース(7.2km)と、階段(257段)を使ってショートカットするBコース(5.7km)に分かれます。
 合流点から→白岩競技場→武雄市文化会館(9.8km)→武雄神社・大楠(10.6km)→塚崎の大楠→市役所前(11.9km)→長崎街道→桜山公園入口(13.3km)→武雄温泉楼門(14.5km)でゴール!
 どうですか? 読んだだけで、もう疲れた? 「武雄コース」は昨年から5000人以上歩いている人気コースですから、一部分だけでもぜひ歩いてみてください。爽快な気分になりますよ。

JR武雄温泉駅からスタート。もちろん宿泊先に近いところから歩き出してもOK。
「武雄温泉保養村」の一角にある「佐賀県立宇宙科学館」。休憩スポットとして利用できます。
武雄神社の夫婦檜(ヒノキ)。「縁結びスポット」としてにわかに脚光を浴びています。
武雄温泉街そばは「旧長崎街道」。白壁の家並みなど、昔ながらの風情ある佇まいが見られます。

マップを手にし、歩きやすい靴・格好で出かけよう

 「武雄コース」は、住宅街のアスファルト道路から山道のような自然道まで変化と起伏に富んだ道を歩きます。靴は運動靴などの歩きやすい靴で。さらに服装は長袖・長ズボンがおすすめ。両手が使えるようにリュックサックやウェストポーチが良く、軍手があると安心です。ハイキングをイメージした格好でお出かけください。
 歩き出す前にJR武雄温泉駅構内にある観光協会や宿泊先で「コースマップ」を手にしましょう。

服装はハイキングのイメージで。記者は短めのパンツとスパッツを組み合わせましたが、途中でコケたので、長ズボンがいいかもしれません。
観光協会や宿泊先などで「コースマップ」を入手し、マップを見ながら歩きます。

お茶が用意されている「貴明寺」で座禅にチャレンジ

 コース上には、お茶などで接待してくれるスポットもあります。ここ臨済宗の寺院「貴明寺」がそうです。前方後円墳「矢ノ浦古墳」のある「白岩トリム」はゆるやかな登り。竹林が美しく、市街地のすぐそばとは思えない自然豊かな道です。その「白岩トリム」を降りてきた場所に「貴明寺」があります。ちょうど一息つきたい頃に境内に着き、本堂前に置かれたお茶をありがたく感じます。
 ご住職から「少し時間があるなら、本堂で座禅をするといい」とアドバイスを受け、さっそく記者も座禅にチャレンジ。座禅というと身動き一つせず「無の心で」などと聞きますが、ご住職いわく「座ることに意義がある」そうで、「座るだけでいいんですよ」とのこと。時間に決まりはなく、「15分くらいできればいいでしょうが、5分でも十分。集中する姿が美しいのです」。
 座禅は呼吸を整える効果があります。ゆっくり呼吸していると、心が鎮まってくるはず。座禅はリフレッシュに最適なのです。

「まずは5分だけでも座ってみて」とご住職に促され、本堂で座禅をする記者。不思議とリラックスできました。
韓国からのお客様が増え、ご夫婦で韓国語教室に通っているというご住職。「たとえ言葉は通じなくても気持ちは通じるものです」。
木々と静寂に包まれた境内。秋は紅葉も見られます。お寺では、毎月1回、座禅と写経、食事を楽しみ、法話を聞く「寺子屋塾」を開いています。
本堂前にお茶と飴を用意しています。日本のこの“お接待”の心こそ「おもてなし」文化ですね。

これが武雄!? 急な坂道&自然道で息が…

ホタル池の浮橋。樹林を抜け、池に浮かぶ浮橋を渡ります。頭上に鳥、足元にアメンボが…。

 「武雄温泉保養村」を抜け、記者はAコースへ。入口からトレッキングのような様相を見せており、武雄市観光課「オルレ」担当者の「傾斜45度の山道ですから頑張って!」という言葉を思い出しました。樹林を抜けると、ホタル池に浮橋が浮かんでいます。突然現れる美しい風景に驚かされます。取材時は午後になり日がかげっていましたが、午前中だったらきっと日の光が美しいに違いありません。
 道はだんだん上り坂になり、まるで山。平坦な市街地からは想像もできないトレッキングルートが待っています。そして目の前に現れたのが、まさに傾斜45度ともいえる階段! 運動不足の記者には応えましたが、何とか登りきると…。そこには眼下に市街地が広がっていました。後ろを振り向くと、山並みです。上りきった達成感と初めて見る風景に感動もひとしお。ぜひ、皆さんも頑張って登ってみてください。

ホッとひと息ついたところで見えてきたのがこの階段。距離は短いのですが、トレッキング並みです。「まち歩き」とあなどらないように。
山頂に着くと、目の前に御船山、眼下に市街地が広がり、振り返るとまた別の美しく連なる山並みが見えます。

樹齢3000年の大楠にパワーをもらう

 「山岳遊歩道」の山道を降り、向かうは武雄神社です。標識にそって武雄市文化会館の庭園わきに行くと、通ったことのないような道に行き、「いったいどこにつながっているんだろう?」と思うほど。道に出ると、何と武雄市図書館のそばに出ました。ほんのちょっと脇道を歩くだけで、新しい武雄に触れた気がします。
 武雄神社を抜け、竹林の石畳を歩いていったその先に大楠が待っていました。樹齢3000年。大きな枝を張って立つ大楠は自然のパワーに満ちて、何とも神秘的。清々しい気分で後にしました。
 そして武雄神社・大楠の後は、武雄温泉楼門を目指してゴール! 武雄温泉で汗を流すと、ほどよい疲れと心地よさが体を包んでいたのでした。

武雄市文化会館の日本庭園。芝生の美しい庭園は韓国からのお客様に人気です。
竹林の向こうに待ち構えているのは、樹齢3000年を誇る大楠。自然の中にそびえたつ姿は神秘的で、言葉もなく立ちすくむばかりです。
武雄神社の夫婦檜に結ばれた「縁結び」のお守り。皆さんに良縁がありますように。
大正4年に完成した「武雄温泉楼門」。1300年の歴史のある武雄温泉のシンボルでもあります。楼門の向こうに立ち寄り湯があります。

JR武雄温泉駅でお弁当をGET!

JR九州の「九州駅弁グランプリ」で2年連続優勝した 「佐賀牛すき焼き弁当」。

 コース上には、飲食店やスイーツショップがあります。「オルレ」には時間制限がないので、自分の好きな場所で好きなように休憩しましょう。お弁当を持って歩いても楽しいものです。JR武雄温泉駅には「佐賀牛すき焼き弁当」(1260円)を販売しています。

武雄温泉に泊まってゆっくり楽しもう。

 できれば、ホテルや旅館に泊まって、ゆっくり楽しみたいものです。ホテルや旅館にはコースマップを用意しています。ぜひご利用ください。
 宿泊先は武雄市観光協会のホームページをご参照ください。

DATA
「九州オルレ」武雄コース
○お問合せ:
 武雄市観光協会 TEL0954-23-7766
 武雄市観光課 TEL0954-23-9237
※参考:九州観光推進機構ホームページ