静寂の大川内山に響く風鈴の音 伊万里・風鈴まつり

静寂の大川内山に響く風鈴の音 伊万里・風鈴まつり

世界の至宝である磁器「鍋島」の伝統技を今に伝える30数軒の窯元が、軒を連ねる秘窯の里・大川内山(おおかわちやま)。夏になると軒先には各窯元の技術の粋を集めた風鈴がつるされ、吹き抜ける風が心地よい音を奏でます。今回は夏の風物詩として知られる「風鈴まつり」や風鈴の絵付け体験、ボランティアガイドのほか、申年にぜひ食べてほしい伊万里梅や、ご当地グルメ伊万里牛をご紹介します。

※この情報は2016年6月時点のものです。

約500種類の風鈴が奏でる癒やしの音色 伊万里 秘窯(ひよう)の里 大川内山(おおかわちやま)「風鈴まつり」

 今年で13回目を迎える「風鈴まつり」は、6月18日(土)から8月31日(水)まで行われます。当初、2種類から始まった風鈴の種類は、各窯元が伝統と新しいアイデアを取り入れてオリジナリティを追求した結果、約500種類にもなりました。
 一番のこだわりは音。風鈴の大きさや風鈴に当たる中子(なかご=風鈴の中にある陶片)の形、焼き温度で異なる音が、窯元の独自性を生み出しています。高い音を求めて、限界ぎりぎりまで薄く削ることもあるそうです。白磁の肌に染付と赤・緑・黄の3色を基調にした伝統柄や手彫りの透かし彫り、全体がキラキラしたパール調の風鈴などデザインもさまざま。パンダや猫の姿を模した動物型、釣鐘形、六角形など1000個を超える風鈴が軒先や店内で気持ちよさそうに揺らめき、訪れた人に涼を与えてくれます。
 風鈴の音に夏の風流や癒やしを感じるのは、日本人だけの感覚ではないかも。1つずつ音を確かめながら、涼しさを感じてください。


金魚やアサガオなど夏の風物を手描き。集中力が必要な繊細な作業に、1日に作る風鈴の数にも限りがあります。


白磁に透かし模様を入れた香炉(左)。小さな風鈴(右)にも同じ伝統の技術が使われています。


素焼きの風鈴に上絵を付け、釉薬をかけて焼成すると光沢のある美しい風鈴の出来上がりです。


風鈴選びは好きな音と絵柄のマッチング。風鈴の直径が小さいほど、さらに透かし彫りが施されていれば高い音が響きます。


毎年、「風鈴まつり」で風鈴の新作が登場するのも、大川内山を訪れる人の楽しみの1つ。リピーターが多いのも納得です。


「風鈴まつりを通して、大川内山のファンが増えたらうれしいですね」と、語る風鈴まつり実行委員会の原貴信さん。

幻想的な世界が広がる「ボシ灯ろうまつり」

 風鈴まつりの中でも、夕暮れ時のお楽しみは7月24日(日)の「ボシ灯ろうまつり」。ボシとは、窯で焼くときに磁器を保護し、効率よく窯に並べるための容器のこと。灯ろうに見立てたボシ約2000個は、伊万里鍋島焼会館前や大川内山を流れる伊万里川などの遊歩道沿いに並び、キャンドルが点灯すると、たちまち辺りは幻想的な雰囲気に包まれます。大川内保育園児の青螺太鼓や、31個の焼き物を叩いて曲を奏でる「碗琴コンサート」など楽しいイベントも満載です。夏のひと時を楽しんでください。


点灯前、大川内山全体に響けとばかりに、大川内保育園児が元気いっぱい打ち鳴らす青螺太鼓。


毎年、凝ったレイアウトが評判の伊万里鍋島焼会館前に飾られたボシ灯ろう。18時30分の点灯式とともに幻想的な雰囲気が広がります。


川沿いや沿道にもボシ灯ろうが並び、淡い光に包まれた大川内山は、昼間とは全く異なる空間に変化します。

DATA
伊万里 秘窯の里 大川内山 風鈴まつり

○期間 6月18日(土)~8月31日(水) 9:00~17:00
○主なイベント
オープニングセレモニー(碗琴コンサート) 6月18日(土)10:00~ 伊万里鍋島焼会館前特設ステージ
ボシ灯ろうまつり(大川内保育園児の青螺太鼓、伊万里少年少女合唱団のコーラス、碗琴コンサート、点灯式、ときわ会の筝曲) 7月24日(日・雨天31日に延期) 16:30~21:00くらいまで。
○夏の器作品展(大川内山30窯元が2016夏の新作披露。鍋島おかみの会による夏のコーディネート) 7月10日(日)~8月31日(水) 伊万里・有田焼伝統産業会館
○献上登り窯焚き 8月27日(土)~28日(日) 大川内山登り窯

◇お問合せ 風鈴まつり実行委員会(伊万里鍋島焼会館内) TEL 0955-23-7293
※伊万里鍋島焼会館...各窯元の作品の展示販売のほか、天然水で入れるコーヒーやカレーなどの軽食が味わえます。風鈴まつり期間中は、同会館前で各窯元の風鈴をらせん状に飾ります。
◇風鈴まつり、大川内山見て歩きマップ、パンフレット、観光、アクセス情報は伊万里鍋島焼協同組合HPをご覧ください。
大川内山の伊万里・有田焼伝統産業会館休憩所付近では、フリーWi-Fiスポットを利用できます。利用可能時間は9:00~18:00で最大1時間。

大川内山を知るには地元ボランティアガイドに聞くのが一番!

 奇岩が切り立ち、三方を山に囲まれた大川内山は、まるで山水画のような美しさです。300年以上前は、その地形が、将軍家や諸大名に献上する最高級品「鍋島」をつくる佐賀鍋島藩御用窯の技術の流出を防ぐ役割を果たしていた-。風鈴の音色とともに、こんな話を聞くと、風鈴の見方も変わってくるかもしれません。
 大川内山などを案内する地元ボランティアグループ「伊万里市観光ボランティアガイドの会」の会長・藤瀬熊喜さんは、「大川内山は陶石を砕く唐臼の音、焼きものを叩く音、ろくろの音などいろんな音に包まれています。白磁の風鈴が音を奏でる巨大なオブジェ・めおとしの塔は、残したい日本の音風景100選にも選ばれています。大川内山を包む優美な音や景色、お買い物も楽しんで、ゆっくり過ごしてほしいですね」と訪れる人を待ち受けます。
 同会のメンバーは38人。交代で、大川内山の歴史はもちろん、窯元見学の相談まで対応しています。大川内山を巡るコースは約1時間ですが、歩くことに不安がある、絵付け風景を見学したいなど事前に要望を伝えてみてください。できるだけリクエストに応えた時間やコースを設定してくれます。


ぜひ見てポイント①陶工橋を人が渡ると反応して涼やかな音の響かせる「めおとしの塔」と陶石を砕く唐臼小屋


ぜひ見てポイント②鍋島藩窯橋 陶片を張り詰め、大きな壺が飾られた橋の欄干はなんとも贅沢。


ぜひ見てポイント③ 切り立つ岩山、窯元が連なる街並み、窯元の煙突など、秘窯の里を象徴する撮影ポイントは鍋島藩窯坂。前を向いても、振り向いても絵になります。


おすすめポイント①6月~7月初旬まで、めおとしの塔そばの川沿いにはアジサイが連なり、訪れる人の目を楽しませてくれます。


おすすめポイント②時間に余裕があれば、江戸時代の中心部だった藩役宅跡へ。大川内山を見守り続けた樹齢400年の大銀杏は見事です。


「雨の日の景色もいいですよ。切り立った岩山に雲がかかり、風に流れていくようすは風情があります」と伊万里市観光ボランティアガイドの会 会長・藤瀬熊喜さん。

DATA
伊万里市観光ボランティアガイドの会

○運営協力金 1~10人まで1000円、11~20人まで2000円、21~30人まで3000円、31~50人まで4000円※1人からお申込みいただけます。

○ガイド
英語、韓国語圏の方にも、対応できます。

○ガイドモデルコース
大川内山コース、伊万里市街地コース 各1~1時間30分

○案内可能時間
10:00頃~16:00頃まで(相談に応じます)
       
○利用方法 
お申し込みは利用日の1週間前までに伊万里市観光協会へ。
その後、伊万里市観光ボランティアガイドの会からご連絡します。

◇お問合せ・申し込み
 伊万里市観光協会
 TEL 0955-23-3479 (9:00~18:00)
 伊万里市観光ボランティアガイドの会(伊万里市陶器商家資料館内) 
 TEL 0955-22-7934 (月曜休)

「大川内山見て歩きマップ」は伊万里鍋島焼協同組合から。

世界に1つだけの風鈴をお土産に。風鈴の絵付け体験!!

 大川内山の出入り口・関所近くに立つ伊万里・有田焼伝統産業会館は、伊万里焼、有田焼が国の伝統工芸品に指定されたことがきっかけで1980年にオープン。古伊万里のほか道具、陶石などが展示され、歴史や伊万里焼と有田焼の基本的なことを短い時間で知ることができる資料館です。ここでは風鈴やマグカップ、皿の湯飲みなどの絵付け体験ができます。風鈴の体験時間は平均40分。ぜひ挑戦して、自宅の軒先や部屋をオリジナルの風鈴で彩ってみましょう。ココイコスタッフの風鈴絵付け初体験を紹介します。


体験①伊万里鍋島焼に使われてきた呉須(濃い色と薄い色の2種)。陶画用筆(大・小)が準備されています。素焼きの風鈴は大小2種類。スタッフは小をチョイス!


体験②「鉛筆は焼成のときに燃えて消えますから、鉛筆で下書きするといいですよ」。伊万里・有田焼伝統産業会館の瀬戸忠志館長から描き方を説明してもらいました。


体験③何を描いていいのですが、絵の見本もありますから、それから選んでもOK。スタッフは、体験前から何を描くか決めていたらしく、早速下書き。


体験④輪郭を濃い呉須で描いて、輪郭の内側に色をのせていきます。スタッフのときどき「あっ」と小さな叫び声が気になりますが、順調に仕上がっていきます。


体験⑤ 約30分で完成!!「佐賀県観光連盟のマスコットキャラクター 壺侍(つぼざむらい)です。あっ、スペル、間違った。TUBO(トゥボ)になってる!!」


体験⑥伊万里・有田焼伝統産業会館で絵付けした風鈴に釉薬(ゆうやく)をかけて焼成後、短冊と中子を付けてから、手元に届くまでに1カ月ほどかかります。

DATA
風鈴絵付け体験

○体験料(税込み) 大小とも 1000円 焼成後の送料別(700~1000円。地域によって異なる)
○受付時間 9:00~16:00
○団体 10人以上は要予約。
○休館日 12月29日~1月3日
◇お問合せ 伊万里・有田焼伝統産業会館 TEL 0955-22-6333 FAX 0955-22-6361

注目!!伊万里梅。申(さる)年の梅は体にいい!?縁起がいい!?

 伊万里梨やぶどうなどのフルーツと並んで知られている伊万里市の特産品が、伊万里梅です。伊万里市の梅の栽培面積はなんと西九州一。香りがよく肉厚の「南高(なんこう)」「古城(こじろ)」「小梅」が主な品種です。平安時代、村上天皇が疫病を患った時に、申年の梅干しを食べて治したという故事にちなみ、「申年に取れた梅は体にいい」「縁起がいい」と言われています。今年は申年。伊万里梅の収穫は5月~6月20日頃まで。秋には天日干しにして漬けた伊万里梅の梅干しが登場します。申年の梅をぜひ味わってください。
 梅干しは疲労回復になりますし、伊万里梅を使用したご当地サイダー「伊万里青梅サイダー」や「伊万里紅梅サイダー」もシュッワッと爽やかにのどの渇きを潤してくれます。大川内山の散策の後にどうぞ。


梅生産者が愛情込めて育てる西九州最大の伊万里梅園藤ノ尾。2月の梅の開花期には、「伊万里梅まつり」が行われて賑わいます。


収穫期には甘酸っぱい香りが漂う伊万里梅。梅干しや梅ドレッシング、梅ペーストなど、いろんな味わい方が楽しめます。


いまり梅加工研究会のお母さんたちが小城市の友桝飲料とコラボしたご当地サイダー。古城梅のエキスを使った「伊万里青梅サイダー」は、焼酎割りにしても美味。「伊万里紅梅サイダー」はしその香りがさわやかです。

DATA
○お問合せ
 JA伊万里 TEL 0955-23-5555
 〈JA伊万里直売所〉
 道の駅・伊万里ふるさと村 TEL 0955-24-2252
 四季の里大川 TEL 0955-29-3115
 四季の館 TEL 0955-22-2581
 松浦の里 TEL 0955-26-3427
 ファームステーション四季ありた TEL 0955-46-4700
 伊万里梅まつり、直売所の紹介・アクセスはJA伊万里から。 

やつぱり、伊万里牛を食べなきゃ!「伊万里牛の重箱御膳」

 伊万里を訪れたなら、やっぱり食べたいのが伊万里牛。「九州ご当地グルメ3年連続グランプリ」を受賞した「伊万里牛ハンバーグ」は、手ごろなお値段でジューシーな伊万里牛を味わえるとあって人気は不動ですが、伊万里牛と伊万里焼がコラボした「伊万里牛の重箱御膳」もおすすめです。伊万里市内の窯元がつくった伊万里焼の重箱に、レストランや喫茶店10店舗が工夫したステーキやすき焼き、ソースカツ、焼肉など、和風テイストの伊万里牛が味わえます。


肉質4等級以上の伊万里黒毛和牛をがっつり召し上がれ。


重箱は伊万里焼の伝統技を受け継ぐ9つの窯元が試行錯誤しながら、伊万里焼「色鍋島」「鍋島染付」「鍋島青磁」を制作しました。


伊万里焼と伊万里牛の最強のコラボに、食べる方も気合が入ります。

DATA
<伊万里牛の重箱御膳>

○お問合せは参加各店舗へ
・ひょうたん TEL 0955-22-1808
・蛇の目寿司 TEL 0955-22-3625
・小次郎寿司 TEL 0955-23-8196
・ダイニングキッチン 風の丘 TEL 0955-22-6910
・レストラン チムニー TEL 0955-23-0515
・伊万里ロジエ TEL 0955-23-3289
・伊万里厨酒房 彩香 TEL 0955-22-8228
・カフェレストラン ダ・ジュール TEL 0955-22-5110
・レストラン るーらる TEL 0955-24-2211
・フォレストイン伊万里 TEL 0955-23-1001

○伊万里牛の重箱御膳スタンプラリー 間もなく終了!
・開催期間:8月31日(水)まで
※参加各店舗や伊万里市観光協会などでスタンプラリーチラシを入手。10店舗すべてのスタンプを押したチラシ1枚につき1回の応募ができます。
※参加店に備えている応募用紙に記入の上、応募用紙1枚とスタンプラリーチラシ1枚をセットにして申し込んでください。伊万里焼の重箱1個をプレゼント。重箱は後日郵送にてお届けします。

○お問合せ
参加各店の「伊万里牛の重箱御膳」は、伊万里市観光協会に掲載のチラシをご覧ください。