特集・文化を紡ぐ道 ― 嬉野市

1300有余年、変わらぬぬくもりを伝える「湯の文化」

心身を癒やす道は嬉野温泉に続く

なだらかな山々に囲まれた盆地にあり、日本でも有数の温泉地「うれしの温泉」。その歴史は古く、文献に登場するのは713年、「肥前風土記」に「東の辺に湯ありて、能く人の病を癒す」とある。約1300年も昔から「うれしの温泉」の効用は知れわたっていたようだ。ナトリウムを含む重曹泉は、飲めば胃腸などの機能を活性化させ、ぬめりのある湯は万人の肌を美肌に変えた。

江戸時代は長崎街道の宿場町にある温泉として、シーボルトなど多くの旅人の疲れた体を癒やしてきた。温泉の良さは、元気を回復した旅人たちの口コミで各地に広がり、時代を超えて今に伝えられてきた。

現在、嬉野温泉は桜並木が約2キロメートル続く嬉野川の両岸に40を超える温泉宿が建ち並ぶ。家庭的な旅館から高級旅館まで個性派ぞろいだ。

[左]嬉野の移り変わりを見守り続けてきた創業200年を超える老舗旅館「大村屋」の女将・北川節子さん。
[中]女将の会の自信作「うれしの茶クレンジングフォーム」「うれしの茶美肌石けん」「うれしの温泉化粧水」でさらに美肌を
[右]天然植物油使用で環境にもやさしい「うれしのボディーソープ」「うれしの茶リンスinシャンプー」

「嬉野温泉は『日本三大美肌の湯』と呼ばれています。湯上りのすべすべ肌を実感してください」と太鼓判を押すのは嬉野旅館組合「女将の会」会長・北川節子さん。「ここ5年ほどで、ずいぶんお客さまの志向が変わりました」と話す。団体客が減り、家族単位やカップルなど自分たちが楽しもうという「個人の満足」を追求する人が増えたという。

そんな時代の変化に対応しようと女将の会は、人と人とのつながりを大切にするもてなしの心を磨いてきた。さらに、嬉野の良さを知ってもらうために20代から70代の15人の女将が自らモニターとなり、特産品の嬉野茶を使ったシャンプーや美肌石けん、嬉野温泉水を使った化粧水などを開発して旅館に常備した。今では全国から問い合わせがある。

温泉地がもっと“ホット”になるように、地域との連携も深め、「うれしのあったかまつり」「うれしの温泉秋まつり 産業祭・湯どうふフェスタ」、「さくらロードウォークラリー」などイベントで盛り上げている。中でも女将たちならではの取り組みがある。嬉野市と協力して開催する「ほっとマンマ・イン嬉野」だ。乳がん患者が手術後、遠のきがちになった大浴場の温泉につかり、お互いの悩みや体験を語り合う。「嬉野の『嬉』は女が喜ぶと書きます。名の通り、女性に喜んでもらって、太陽のように明るくいてもらえれば」と北川会長は話す。

時代は変わり、人々の志向も変わってきた。でも、変わらずにそこにあるのが嬉野温泉の温かさ。これから冬に向けて嬉野温泉で心も体も温まってはいかが。


 

嬉野温泉で肌はつるつるスベスベ「うれし〜ぃの」

シーボルトが嬉野に立ち寄ったことにちなみ名づけられた「シーボルトのあし湯」。無料で利用でき、地元の人や観光客が集う場所にもなっている。足湯は血行を良くし、足の疲れや肩こりなどを解消してくれる

嬉野温泉は島根県の「斐乃上温泉」と栃木県の「喜連川温泉」と並ぶ「日本三大美肌の湯」と呼ばれている。静かに湯につかっているだけで、湯上がり肌はつるつるスベスベ。まるでシルクを身にまとっているような肌に、多くの女性が嬉野温泉の湯に魅了されている。

嬉野温泉が「日本三大美肌の湯」と呼ばれる由縁は、ナトリウムが多い重曹泉にある。無色透明でぬめりがあり、肌にまとわりつく。この泉質が皮膚の余分な脂肪や汚れを落とし、角質化した皮膚をしっとり、なめらかにする。体のしんまで温まれば肌もほぐれ、みずみずしさを取り戻して極上の美肌に仕上がっていく。飲んでも胃腸や肝臓を活性化させて、体の中からきれいにしてくれる。


春日大社、住吉大神、豊玉姫大神をまつる豊玉姫神社。本殿のそばには「なまず社」があり、そこには体長1.1メートルの白磁の大なまずがまつられている。美肌のほか、肌の病にご利益があると言われている

さらに美肌にいいものが町にはそろっている。嬉野温泉街の中心にある豊玉姫神社には、海の神の娘「豊玉姫」が祭られ、「美肌の神様」として地元の人から親しまれている。豊玉姫の使いである白い「なまず様」に祈れば美肌になるそうだ。

近くにある「シーボルトのあし湯」で足を浸せば美肌になる上に地元の人との交流も楽しめるおまけつきだ。

美肌オリジナル商品もみのがせない。嬉野温泉観光協会・観光案内所には、嬉野温泉とコラーゲンを配合した「美肌湯けむり嬉野石鹸」や自宅に帰っても嬉野温泉を楽しめる入浴剤などが手に入る。「湯遊チケット」を使えば、美肌の湯巡りが割安で楽しめるのがうれしい。嬉野は町中が美肌一色だ。これは美肌を追求する一人として、ほっとけない。嬉野の美肌通りに早速出掛けて、美肌三昧といこう。

[左]名物の温泉湯豆腐。嬉野温泉の湯を使ってとろとろになった豆腐を味わえば体はぽかぽか、肌はスベスベ
[中]嬉野茶は消臭・抗菌・殺菌効果のあるカテキンたっぷりの緑茶エキスが美肌に大切な体調を整えてくれる
[右]創業明治元年の老舗酒蔵「井手酒造」。おいしいお酒を楽しく飲んで、心も体もパァ〜ッとストレス発散

[左]美肌湯けむり嬉野石鹸は無香料・無着色。嬉野温泉とコラーゲンを配合した肌にやさしい石鹸。1個630円
[中]「日本の名湯 嬉野」入浴剤メーカーと共同で作った入浴剤でなめらかで、みずみずしい肌に。5個入り630円
[右]お得な「湯遊チケット」は嬉野温泉観光協会で販売中

嬉野市観光のお問い合わせは 「嬉野温泉観光協会」
嬉野市嬉野町大字下宿乙2202-55-1
TEL:0954-43-0137/E-MAIL:ureshino@wonder.ocn.ne.jp

 

周辺たち寄りスポット

茶畑に囲まれた大自然いっぱいの中で工場見学

嬉野茶発祥の地・不動山入口にある工場で、お茶の仕上製造工程を見学できます。工場見学の後は美味しいお茶のサービスも。出来たて、炒りたての嬉野茶や嬉野紅茶を工場価格で買えます。ここでしか買えない珍しいお茶製品や西九州地域のお土産が豊富に揃った嬉しいスポット。


うれしの お茶ちゃ村
嬉野市嬉野町平野不動山入口 TEL:0954-43-1188
営業/8:30〜18:00 定休日/なし
※工場見学の上、お買い上げの方にほうじ茶プレゼント!


関所をくぐれば江戸時代

江戸時代初期の長崎街道を再現した歴史体験型テーマパーク。関所や代官所などの施設が建ち並び、ガマの油売りの大道芸も見られる。なかでも「葉隠忍者ショー(土・日・祝開催)」と日曜日開催の「ちびっ子忍者アカデミー(事前予約必要)」は大人気。また、肥前夢工房ではオリジナルの焼き物作りもでき、大人も子どもも楽しめるスポット。


嬉野温泉 肥前夢街道
嬉野市嬉野町大字下野甲716-1 TEL:0954-43-1990
営業/9:00〜17:00 定休日/なし
入園料/足軽コース(入園のみ)大人1000円、中高生800円、お子様(4才〜)500円 殿様コース(フリーパス付き)大人2500円、中高生2200円、お子様(4才〜)1800円
※詳しくはHP参照。HPには割引券情報もあるので、要チェック!


嬉野名物を探したい方におすすめ

嬉野茶やお菓子等県内物産コーナーをはじめ、陶磁器コーナーの売店、さらには新鮮な農産物コーナーまでお土産なら何でも揃う。有名陶芸家の作品を揃えた有田焼展示コーナーも必見。また、レストランでは“温泉湯豆腐”や“お茶しゃぶしゃぶ”など、嬉野ならではの食事が人気。焼き物体験も可能。


嬉野 陶彩館
嬉野市塩田町大字大草野丙9-1 TEL:0954-66-2836
営業/9:00〜17:00 定休日/なし
※有田焼の製造過程(素焼き・絵付け・施釉・本焼成)を見ることができます。平日のみ。

 

佐賀のご当地グルメ其の二〈嬉野市〉嬉野紅茶

佐賀県には、活きのいい魚に、
軟らかいお肉、みずみずしい野菜など、
日本国中どこにも負けない
おいしいものがいっぱい。
ローカルで育った「ご当地グルメ」を
食べ尽くしませんか。

ほんのりとした広がる香り
渋み少なめのやさしい味わい
これが、日本食によく合う和の紅茶

ほんのりとした柔らかな香り、渋みも少なくやさしい味わい。後味がさわやかで日本食にもよく合う。これが日本有数の茶どころ・嬉野市で生まれた紅茶「うれしの紅茶」だ。

紅茶に適しているのは嬉野産緑茶葉の二番茶。摘んで2日間ほど保管し、ややしおれた状態になったところで揉み、発酵と乾燥を経て良質の紅茶を作る。

フレーバーさが特徴の外国産紅茶に比べ、香りにはくせがない。くせのなさを物足りなく感じる人もいるが、リンゴの皮を入れてつくる「アップルティー」など、生の果実を使った紅茶を味わう時、「うれしの紅茶」は果実にうまくなじみ、香りをぐっと引き立てる。

17年ほど前、うれしの紅茶振興協議会の相川源太郎会長が「世界の茶の故郷」である中国雲南省で紅茶に出合ったことがきっかけで出来た「うれしの紅茶」。香りは強くないが、一口飲めばさわやかな味わいがくせになりそうだ。緑茶同様、食後に急須で気軽に飲める和の紅茶をお試しあれ。

DATA
お問い合わせ
うれしの紅茶振興協議会(相川製茶舗) TEL:0954-42-1756